「ファクタリングにはメリットしかないの?」
「利用する前にファクタリングのデメリットについても知りたい」
このように考える方は多いでしょう。
ファクタリングのデメリットを理解した上で契約しないと、契約後に後悔してしまう可能性があります。
この記事では、編集部がファクタリングのデメリットや、ファクタリング会社の選び方についてまとめました。
また、契約時に注意すべきことについてもお伝えしますので、ファクタリングを利用する前の参考にしてください。
ファクタリングの4つのデメリット・注意点
ファクタリングには次のようなデメリットや注意点があります。
- 手数料が高い
- 売掛先からの信用力低下
- 売掛金額までしか買い取ってもらえない
- 債権譲渡登記が必要なことがある
ファクタリングを利用する前に確認しておきましょう。
ファクタリングのデメリット・注意点1.手数料が高い
ファクタリングのデメリットは、手数料が高いことです。
2社間ファクタリングを利用した場合の手数料は10%〜20%程度と、銀行融資と比べて手数料の負担が増えます。
ファクタリングの手数料が高い理由は、売掛金の未回収リスクを避けるためです。
「売掛先は信用できるか」「売掛先と利用者は長い取引があるか」などを審査し、リスクに応じて手数料を決めています。
また、初めてファクタリングを利用するときは手数料が高くなることもあることに注意が必要です。
手数料の負担を抑えたい方は3社間ファクタリングや、他の資金調達方法を検討してみてもいいでしょう。
ファクタリングのデメリット・注意点2.売掛先からの信用力低下
2つ目のファクタリングのデメリットは、売掛先からの信用力が下がるリスクがあることです。
3社間ファクタリングを利用する場合、売掛先も含めた3社間の契約となるため、売掛先にファクタリング利用の事実が知られてしまいます。
その結果「会社の業績が危ないのではないか」と思われる可能性があるのです。
売掛先からの信用度を下げないよう、ファクタリングを利用する前に、売掛先にあらかじめ相談しておくことが大切です。
ファクタリングのデメリット・注意点3.売掛金額までしか買い取ってもらえない
ファクタリングのデメリット3つ目は、売掛金額までしか買い取ってもらえないことです。
ファクタリングは売掛金の買い取りであるため、売掛金額以上の資金調達をすることはできません。
そのため、長期の借り入れや多額の資金調達を検討している方は、銀行融資の方が向いています。
また、ファクタリング会社によっては下限や上限が決められていることもあります。
ファクタリング会社を検討する際は、売掛金額がいくらか、ファクタリング会社の買い取り可能額の範囲内かなどを確認しておかなければいけません。
ファクタリングのデメリット・注意点4.債権譲渡登記が必要なことがある
ファクタリングのデメリット4つ目は、債権譲渡登記が必要なことがあるという点です。
「債権譲渡登記」とは、利用者が売掛先の売掛債権をファクタリング会社に譲渡することを指します。
債権譲渡登記をすることで、売掛先や銀行の担当者に債権を売却されたことが知られる可能性があります。
売掛先との取引が打ち切られたり、銀行の融資の審査に影響したりするリスクもあることに注意が必要です。
また、債権譲渡登記には登記費用や司法書士報酬などがかかります。
これらは自己負担となるため、契約前に債権譲渡登記が必要な契約か担当者に確認しておくと安心です。
リスクを避けるためのファクタリング会社の選び方
ファクタリングの利用におけるリスクは、ファクタリング会社の選び方を知っておくことで回避できます。
ここでは、リスクを避けるためのファクタリング会社の選び方について以下の3点を解説します。
- 過去の実績が豊富な会社を選ぶ
- 信用力の高い売掛先の売掛金を選ぶ
- 手数料を明示している会社を選ぶ
過去の実績が豊富な会社を選ぶ
ファクタリングにはファクタリング業者を装った悪徳業者に騙されるリスクや、ずさんな契約を結ばされるリスクがあります。
このようなリスクを避けるため、ファクタリング会社を選ぶときには、信頼できる会社を選びましょう。
過去の実績が豊富な会社であれば、初めての利用でも安心です。
ファクタリング会社の過去の実績は、会社のホームページだけでなく、口コミサイトなどから知ることもできます。
信用力の高い売掛先の売掛金を選ぶ
ファクタリングでは、売掛先の審査が重要視され、売掛先の社会的信用力が低いと審査に落ちてしまいます。
また、売掛先が個人事業主の場合は審査に通らないことがほとんどです。
審査に通るには「売掛先が上場企業の売掛金を選ぶ」「取引の長い売掛先の売掛金を選ぶ」ということが必要です。
売掛先が上場企業でない場合でも、過去に取引実績があれば信用力は高くなります。
手数料を明示している会社を選ぶ
ファクタリング利用時には、手数料を明示している会社を選びましょう。
ファクタリング会社を装った悪徳業者は、手数料を明示していないことが多いです。
また、高金利でお金を貸し付ける融資契約を結ばせる悪徳業者も存在します。
手数料が相場より高すぎるときには悪徳業者である可能性があるため、注意しましょう。
ファクタリングの3つのメリット
ファクタリングには、他の資金調達方法にはないメリットがあります。
ファクタリングの3つのメリット、
- 最短即日で資金調達できる
- 貸借対照表上の借金にならない
- 銀行融資より審査に通りやすい
についてお伝えします。
ファクタリングのメリット1.最短即日で資金調達できる
ファクタリングの最大のメリットは、最短即日で資金調達できることです。
ファクタリング会社によっては、申し込みから入金まで数時間というところもあります。
入金スピードが早い理由は、審査時間が短いからです。
ファクタリング審査では売掛先の信用力を重視し、利用者の必要書類は少なくて済むため、審査に時間がかからないのです。
ファクタリングのメリット2.貸借対照表上の借金にならない
ファクタリングは売掛債権の売買であるため、貸借対照表上の借金になりません。
つまり、銀行融資のように借金とならず、会社の経営状況にも影響しないのです。
「今後、銀行融資を受けたい」と考えている人にとっては、負債とならないため、融資の審査に影響しないというメリットもあります。
ファクタリングのメリット3.銀行融資より審査に通りやすい
ファクタリングの審査の方が銀行融資の審査より通りやすくなっています。
銀行融資より審査に通りやすい理由は、ファクタリングの審査項目が少ないからです。
ファクタリングでは利用者よりも売掛先の信用力が重視されるため、審査期間は長くても1週間程度です。
一方、銀行融資では利用者の財務状況や返済能力など多くの審査があり、審査に1ヶ月ほどかかります。
そのため、売掛金を急いで現金化したい場合には、ファクタリングの利用が向いていると言えます。
ファクタリング契約時に確認すべき3つの注意点
ファクタリングの契約時には、確認しなければいけない注意点があります。
ファクタリング契約時に確認すべき3つの注意点、
- 分割返済可能な契約になっていないか
- 償還請求権あり契約になっていないか
- 契約書の控えを受け取る
について解説します。
分割返済可能な契約になっていないか
ファクタリングの返済方法は一括返済のみです。
分割返済は貸金業登録をしている業者しか認められていません。
分割返済にすると、その分の金利が発生しますが、ファクタリング会社は貸金業でないため金利を受けとることができないのです。
そのため、分割返済可能な契約は融資契約の可能性があります。
ファクタリング会社が行う分割返済可能な契約は、利用すべきではありません。
償還請求権あり契約になっていないか
日本のファクタリングは「償還請求権なし」契約がほとんどです。
償還請求権とは、売掛先が売掛金を支払えない場合、利用者が売掛先に代わって弁済することです。
過去の判例から、償還請求権あり契約は「融資」と判断されています。
したがって、貸金業登録のないファクタリング会社が行う償還請求権ありの契約は違法であり、利用してはいけません。
契約書の控えを受け取る
ファクタリングの契約時には、必ず契約書の控えを受け取りましょう。
悪徳業者の場合、契約書の控えをもらえないことがあります。
また、契約書の控えを渡すことを拒否されたら、契約書の内容を信用できないと考えられます。
契約書の控えをもらっていないと「契約時に聞いていた手数料より上がっている」など、後々トラブルになるかもしれません。
契約書の控えを渡すことを拒まれるなど怪しいと感じたら、契約しないようにしてください。
まとめ
今回は、ファクタリングのデメリットや注意点、ファクタリングのリスクについてお伝えしてきました。
この記事のポイントをまとめると、
- ファクタリングのデメリットは、手数料が高く、売掛先からの信用力が低下する可能性があること
- ファクタリングのリスクを避けるには、実績豊富な会社や信用力の高い売掛先を選ぶ
- ファクタリングのメリットは、現金化まで早いことと借金にならないこと、銀行融資より審査に通りやすいこと
- ファクタリング契約時の注意点は、分割返済になっていないか、償還請求権ありになっていないか、契約書の控えをもらうこと
ということが言えます。
ファクタリングにはデメリットやリスクをきちんと理解しておけば、契約後に困らなくてすみます。
ここで解説したリスクを避けるための会社の選び方を参考に、ファクタリングをうまく活用していきましょう。
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