近年、法人の資金調達方法として「ファクタリング」が注目されています。
しかしながらファクタリング会社は多く「どうやって選べばいいかわからない」「安心して利用できるの?」と不安な方も多いでしょう。
この記事では、ファクタリング会社を選ぶときのポイントや、法人におすすめのファクタリングサービスについてお伝えします。
また、ファクタリングを利用する際の注意点も解説しますので、自社に合った会社選びの参考にすることができます。
法人がファクタリング会社を選ぶときのポイント
法人がファクタリングを利用する際、会社選びの参考にするべきポイントがあります。
次の3つのポイント、
- 買取可能額の範囲
- 入金までのスピード
- ファクタリング会社の信用度
を確認しておきましょう。
買取可能額の範囲
ファクタリングは会社の業績に関係なく資金調達できる方法で、限度額がありません。
しかし、買取可能額はファクタリング会社によって異なり注意が必要です。
10万円など少額の買取ができなかったり、買取上限額5,000万円までと定められたりしている会社もあります。
会社を選ぶ前に小口債権の買取可能な会社か、売掛債権の額は上限以下か確認しておきましょう。
入金までのスピード
法人がファクタリングを利用する際、重要なのは入金までのスピードです。
ファクタリングには審査があり、会社によっては入金までに数日から数週間かかることもあります。
即日入金を叶えるなら、2社間ファクタリングを利用しましょう。
次の章で入金スピードが早いファクタリングサービスについて紹介していますので、参考にしてみてください。
ファクタリング会社の信用度
ファクタリング会社を検討する際は、口コミを参考にすることがポイントです。
ネットで利用者の口コミを確認することで、信用できる会社か判断できます。
「担当者の態度が悪い」や「こちらの気持ちを汲んでくれない」など、不信感を感じたら複数の会社で申し込みをしてみることが重要です。
法人におすすめのファクタリングサービス5選
法人がファクタリング会社を選ぶ際は、買取可能額や入金スピード、ファクタリング会社の信用度を確認すべきとお伝えしました。
ここでは、次の法人向けのファクタリング会社5つについて紹介します。
- おすすめ1.最短2時間で入金可能!QuQuMo
- おすすめ2.オンラインで手続き完了!OLTA
- おすすめ3.利用可能額が無制限!ビートレーディング
- おすすめ4.少額の売掛金も買取可能!アクセルファクター
- おすすめ5.手数料が低め!ベストファクター
おすすめ1.最短2時間で入金可能!QuQuMo
QuQuMoのサービス内容は以下の通りです。
取引の種類 | 2社間ファクタリング |
買取可能額 | 上限なし |
手数料 | 1%〜 |
入金までのスピード | 最短2時間 |
QuQuMo(ククモ)の最大のメリットは、入金スピードが最短2時間という点です。
申し込みから審査、契約までオンラインで完結するので、来店する手間が省けます。
また、必要書類は請求書と通帳のみなので、初めてでも利用しやすいサービスと言えます。
QuQuMoは「早く資金調達できて大口の売掛金を買い取ってくれる会社を探している法人」におすすめです。
おすすめ2.オンラインで手続き完了!OLTA
OLTAのサービス内容は以下の通りです。
取引の種類 | 2社間ファクタリング |
買取可能額 | 下限・上限なし |
手数料 | 2%〜9% |
入金までのスピード | 最短即日(24時間受付) |
OLTA(オルタ)は、オンラインで書類提出から契約まで完了させることができる会社です。
審査をAIが行っているため、手数料が上限9%と低く設定されています。
「2社間ファクタリングを利用したいけど手数料を抑えたい」という法人におすすめです。
おすすめ3.利用可能額が無制限!ビートレーディング
ビートレーディングのサービス内容は以下の通りです。
取引の種類 |
2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
買取可能額 | 無制限 |
手数料 |
2社間ファクタリング:4%〜12%程度 3社間ファクタリング:2%〜9%程度 |
入金までのスピード | 最短5時間 |
ビートレーディングでは、利用可能額の下限・上限なく買取してくれます。
また、必要書類は請求書と通帳のみで、申し込みから最短5時間で入金されるというのはメリットです。
ビートレーディングは累計買取額900億円、最大買取率98%と実績があります。(2022年11月時点)
さらに、3万円〜7億円までの買取実績もあるので、法人がチェックしておくべき会社の1つです。
おすすめ4.少額の売掛金も買取可能!アクセルファクター
アクセルファクターのサービス内容は以下の通りです。
取引の種類 |
2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
買取可能額 | 30万円〜1億円 |
手数料 | 2%〜20% |
入金までのスピード | 最短即日 |
アクセルファクターは、30万円から1億円の売掛金の買取に対応している会社です。
業績が赤字の場合でも相談することができるという安心感があります。
また、請求書を紛失してしまった場合、他の書類で対応してくれることがあるのはメリットです。
「少額債権の買取をしてほしい」という法人におすすめです。
おすすめ5.手数料が低め!ベストファクター
ベストファクターのサービス内容は以下の通りです。
取引の種類 |
2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
買取可能額 | 30万円〜1億円 |
手数料 | 2%〜20% |
入金までのスピード | 最短24時間 |
ベストファクターは、最低手数料2%から利用できるというメリットがあります。
手数料率は10%を超えてくるところもあり、手数料が高いと受け取る現金が減る可能性があります。
ベストファクターでは30万円から買い取ってくれるので、小口の取引を希望する法人におすすめです。
法人がファクタリングを利用するメリット5選
ここでは、法人がファクタリングを利用するメリット、
- 即日で売掛金を現金化できる
- 信用情報に傷がつかない
- 無担保・無保証人で利用できる
- 売掛先の倒産リスクを利用者が負わなくていい
- 融資よりも審査に通りやすい
についてお伝えします。
法人がファクタリングを利用するメリット1.即日で売掛金を現金化できる
1つ目のメリットは、支払い期日が来ていない売掛金を即日で現金化できることです。
一般に、公的融資や銀行融資では1ヶ月ほど審査に時間がかかります。
資金調達を急いでいる法人にとって、最短即日で現金化できるファクタリングのメリットは大きいでしょう。
法人がファクタリングを利用するメリット2.信用情報に傷がつかない
ファクタリングは借入ではなく売掛金の買い取りのため、信用情報に傷がつきません。
つまり、貸借対照表の負債にならず、のちのち金融機関から借入をすることになっても審査に影響しないのです。
法人がファクタリングを利用するメリット3.無担保・無保証人で利用できる
ファクタリングは、無担保・無保証人で利用することができるのがメリットです。
一方、融資で多額の資金を借りるには担保と保証人が必要となり、不動産や株などを担保にしなければいけません。
保証人になりたくない代表者にとって、ファクタリングは利用しやすい資金調達方法です。
法人がファクタリングを利用するメリット4.売掛先の倒産リスクを利用者が負わなくていい
ファクタリングは、売掛先が倒産して支払いができない場合でも、ファクタリング利用者が代わりに支払わなくてよいことがほとんどです。
ただし、銀行が行うファクタリングなど一部では「利用者が支払い義務を負う」と定めているものもあります。
契約の前には必ずチェックしましょう。
法人がファクタリングを利用するメリット5.融資よりも審査に通りやすい
ファクタリングは融資ではなく売掛金の買い取りのため、審査に通りやすいという点はメリットです。
審査では売掛先の信用度が重要視され「長い取引があるか」「支払い期日が長すぎないか」といったことが調査されます。
法人がファクタリングを利用するデメリット5選
ここでは、ファクタリングのデメリット、
- 手数料が高い
- 売掛先にファクタリング利用を知られる可能性がある
- 売掛金額の上限額までしか借りられない
- 一括返済しなければならない
- 債権譲渡登記が必要なことがある
について確認しておきましょう。
法人がファクタリングを利用するデメリット1.手数料が高い
ファクタリングの手数料は銀行融資などと比べて、高くなっています。
銀行融資であれば1%程度の利息が、ファクタリングでは10%以上の手数料がかかることもあります。
利用する前に他の資金調達方法と比較し、慎重に検討しましょう。
法人がファクタリングを利用するデメリット2.売掛先にファクタリング利用を知られる可能性がある
3社間ファクタリングを利用する場合、売掛先に承諾を取らなければいけません。
そのため、売掛先にファクタリング利用の事実を知られてしまいます。
一方、2社間ファクタリングでは売掛先に知られる可能性は低いですが、ゼロではありません。
売掛先から「経営状況が悪いのではないか」と思われ、取引停止など悪い結果になる可能性もありますので、注意が必要です。
法人がファクタリングを利用するデメリット3.売掛金額の上限額までしか借りられない
ファクタリングでは、売掛金額の上限額までしか借りることができません。
ファクタリングは売掛金を買い取ってもらい現金化するサービスですので、売掛金以上の金額を借りることができないのです。
多額の借入をしたい場合は、銀行融資や公的融資を検討した方がいいでしょう。
法人がファクタリングを利用するデメリット4.一括返済しなければならない
ファクタリングでは一括返済しか認められていません。
ファクタリングは貸金業ではないため、分割返済を可能にするには「貸金業登録」をしなければいけないのです。
手数料の支払いが重なり、資金繰りが悪化してしまわないよう、計画を立てながらファクタリングの利用を検討しましょう。
法人がファクタリングを利用するデメリット5.債権譲渡登記が必要なことがある
法人がファクタリングを利用する際、債権譲渡登記が必要なことがあります。
債権譲渡登記とは、売掛債権がファクタリング会社に売られたことを第三者に知らせることです。
債権譲渡登記をすることで、取引先や銀行の融資担当者などに債権譲渡の事実が知られる可能性があります。
融資の審査に影響したり、登記費用がかかったりするというデメリットがあることに注意が必要です。
ファクタリング審査に通過するポイントを4つ紹介
ファクタリングでは審査が必須で、ファクタリングを利用するには審査に通過しなければいけません。
続いては、法人が審査に通過するポイント、
- 社会的に信用できる売掛先の売掛金を選ぶこと
- 利用者が社会的に信用できること
- 支払い期日が短い売掛金を選ぶこと
- 大きすぎる金額で申し込まないこと
について、解説します。
社会的に信用できる売掛先の売掛金を選ぶこと
ファクタリングの審査で重要視されるのは、売掛先の信用度です。
ファクタリング会社は売掛先の倒産などによって、売掛金を回収できないリスクを避けたいからです。
「売掛先の経営状況は良いか」「長い取引のある売掛先か」などが審査されます。
利用者が社会的に信用できること
ファクタリング利用者の社会的信用度も審査されます。
例えば「利用者の態度が悪い」「書類の提出が遅い」などモラルの部分も審査に影響します。
必要書類は早めに揃えるなどファクタリング会社への対応には気をつけましょう。
支払い期日が短い売掛金を選ぶこと
支払い期日が短い売掛金の方が、審査に通りやすくなります。
売掛金の支払い期日が長くなるほど、ファクタリング会社の負担が大きくなるからです。
また、期日が長くなることで売掛先が倒産し、未回収リスクが高まる可能性もあります。
一般に2ヶ月〜3ヶ月を超えると、審査に通っても手数料が高くなることがありますので注意が必要です。
大きすぎる金額で申し込まないこと
売掛金の買い取りを申し込む際は、大きすぎる金額で申し込まないようにしましょう。
企業の年商や企業の規模に照らして、売掛金の額が大きすぎると使い道を疑われることがあります。
一方、経営状況が悪くても、少額の売掛金の買取ならば審査に通りやすくなる可能性もあります。
ファクタリングを利用するときの3つの注意点
次に、ファクタリングを利用するときの3つの注意点、
- 償還請求権ありの契約でないか確認する
- 手数料の低い会社を検討する
- 手数料の支払いで資金繰りが悪化しないようにする
について、それぞれ紹介していきます。
償還請求権ありの契約でないか確認する
償還請求権がある場合、売掛先が売掛金を支払えないときに、利用者が代わりに支払わなければいけません。
償還請求権のない契約では、ファクタリング利用者が支払いのリスクを負わなくて良いという安心感があります。
日本のファクタリングには原則、償還請求権がありません。
しかし、貸金業登録を行っていない会社にもかかわらず、償還請求権のある契約を扱う違法業者も存在します。
ファクタリングを利用する際は、償還請求権のある契約でないか確認しましょう。
手数料の低い会社を検討する
ファクタリングの手数料は会社によって幅があります。
また、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングどちらを利用するかで手数料は変わります。
手数料が心配な方は、まず3社間ファクタリングの利用を検討してみるといいでしょう。
2社間ファクタリングを利用したい場合、比較的手数料が低いオンラインサービスがおすすめです。
手数料の支払いで資金繰りが悪化しないようにする
銀行融資などと比べると、ファクタリングには高い手数料がかかります。
早急の資金調達には便利ですが、手数料がいくらかかるのかを把握した上で契約しましょう。
しかし、実際の手数料は審査をしてからでないとわかりません。
ホームページの内容だけを見て判断せず、複数の会社で相談してみることが大切です。
ファクタリング契約に必要な書類は会社によって異なる
ファクタリング会社によって必要な書類は異なりますが、一般的に次の7つの書類が必要です。
- 登記簿謄本
- 身分証明書
- 決算書
- 印鑑証明書
- 売掛先との取引口座の通帳
- 請求書や発注書など取引先とのやり取りがわかる書類
- 売掛先との基本契約書
ファクタリング会社によって「請求書」と「通帳のコピー」だけを必要とするところもありますので、利用の際に確認しておくと安心です。
ファクタリング契約の流れ
ファクタリング契約をするとき、どのような流れなのか気になる方もいるでしょう。
続いては、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの流れについてお伝えします。
2社間ファクタリングの流れ
2社間ファクタリングの場合は以下の流れです。
- 法人と売掛先の間に売掛金が発生する
- 法人がファクタリング会社と契約する
- ファクタリング会社が手数料を引いた金額を法人に振り込む
- 売掛先から法人に売掛金が支払われる
- 売掛金をファクタリング会社に支払う
2社間ファクタリングでは、売掛先から支払われた売掛金を、そのままファクタリング会社に支払います。
売掛金を他の支払いに充ててしまうなどして期日までに支払えないと、契約違反となってしまうので注意してください。
3社間ファクタリングの流れ
3社間ファクタリングの場合は以下の流れです。
- 法人と売掛先の間に売掛金が発生する
- 法人がファクタリング会社に申し込む
- 法人が売掛先にファクタリング利用の承諾を得る
- 法人がファクタリング会社と契約する
- ファクタリング会社が手数料を引いた金額を法人に振り込む
- 支払日に売掛金を売掛先からファクタリング会社に直接支払う
3社間ファクタリングでは、売掛金の支払いを売掛先が行ってくれるので、利用者(法人)の手間が省けます。
入金スピードよりも手数料の低さを重視する場合は、3社間ファクタリングを利用するといいでしょう。
まとめ
今回は、法人がファクタリング会社を選ぶ際のポイントとおすすめのファクタリングサービスなどについてお伝えしてきました。
この記事のポイントをまとめると、
- 入金スピードを重視するなら2社間ファクタリングを利用する
- 入金スピードの早さが魅力なのはQuQuMo
- ファクタリングは最短即日で現金化できるが、手数料が高いのはデメリット
- ファクタリング審査では売掛先の信用度が最も重要
- 法人がファクタリングを利用するときは、償還請求権ありの契約でないか確認する
ということが言えます。
この記事がファクタリングの利用を考えている法人の方の参考になれば嬉しいです。
資金繰りを見直して、計画的にファクタリングを利用していきましょう。