法人や個人事業主の方でも、経営において資金繰りは最重要項目の1つですよね。
業態や個別の会社によって資金繰りの問題は異なるため、ここでは資金繰りが苦しい時の原因と解決策を網羅してお伝えいたします。
資金繰りがうまくいかない原因はそれぞれですので、ぜひ参考にしてみてください。
資金繰りが苦しいときの解決策5選
現時点で資金繰りに困っている場合に、それを改善するための解決策を5つお伝えします。
- 経費削減
- 在庫や人件費の削減
- 支払いを遅くする
- 資産売却
- 資金調達
以下でひとつずつ見ていきましょう。
資金繰りが苦しいときの解決策1 経費削減
削減できる経費がないかを精査することは資金繰りの健全化の基本です。
オフィスの賃料や水道光熱費、接待交際費、消耗品など、コストカットできるものはないでしょうか。
レンタルやリースで賄えそうな設備、ペーパーレス化できそうな部門など、意外な部分で削減できる経費があるかもしれません。
ただし、削減する質量を見誤ると商品の質の低下などを招き、ひいては会社の根幹をも揺るがす恐れがありますので注意してください。
資金繰りが苦しいときの解決策2 在庫や人件費の削減
利益に繋がらないまま倉庫で眠っているような過剰在庫も、せっかくの資産を活用できていない代表的な例です。
維持費もかかるうえに商品として利益をもたらすまでに時間もかかるため、必要以上の在庫は経営を圧迫します。
同様に、支出の大きな割合を占める人件費も削減できる余地のあるポイントです。
ただし給与を下げることは従業員のモチベーションにかかわるため、無駄な超過勤務や休日出勤、高すぎる役員報酬などから見直してみましょう。
資金繰りが苦しいときの解決策3 支払いを遅くする
資金繰りは「回収は早く・支払いは遅く」が鉄則です。
資金繰りがうまくいかない時の解決策として、支払いを遅くできる部分はないか洗い出してみましょう。
取引先に対する請求書の支払いについては相手先の資金繰りが悪くなるため遅くしにくいですが、今まで現金で購買していたものはないか、クレジットカードで買うことで翌月末払いにできないかなど、確認してみることが有効です。
資金繰りが苦しいときの解決策4 資産売却
売却できる資産はないか調べることも効果的です。
オフィスや店舗を所有している方は、一度売却してまとまった資金を調達し、その後賃貸で同じ場所を使い続けていくことも可能です。
法人でも使えるリースバックはありますし、その他でも不要な資産があれば売却してしまうことも一つの手です。
所有する不動産や設備機器の中に、採算性が低いものや維持費が高いものがないか洗い出してみるのもよいでしょう。
資金繰りが苦しいときの解決策5 資金調達
きちんと原因を突き止めた上で、資金調達をすることで資金繰りは改善できます。
資金繰りが苦しい時に活用できる融資制度として、制度融資や企業再建資金、セーフティネット貸付といったものがあります。
それら融資とは別に、資金調達では売掛債権を即日現金化できるファクタリングというサービスもおすすめできます。
借入ではバランスシートを痛めてしまいますが、ファクタリングは請求書を先に現金にするだけですので財務に影響はありません。
手数料が数%だけの業者もあるため、借入よりも早く、かつ低い調達コストを実現できる可能性も高いです。
そもそも資金繰りが苦しくなる原因4選
資金繰りが苦しくなる原因もお伝えいたします。
- 資金の入金が少ない
- 資金の入金が遅い
- 資金の出金が多い
- 資金の出金が早い
そもそも自社の原因はどこにあるのかを確認しましょう。
資金繰りが苦しくなる原因1 資金の入金が少ない
資金繰りが苦しい原因として、そもそも資金の入金額が少ない場合があります。
利益率が高ければ売上が少なくても問題はありませんが、多くの会社にとっては売上そのものを増やしていくことが資金繰りも改善できることになります。
会社の規模に対して売上が少なくないか、確認してみてください。
資金繰りが苦しくなる原因2 資金の入金が遅い
資金繰りにおいて資金の入金が定常的に遅いことも原因になりますよね。
残念ながら全ての取引先が予定通りに支払いをしてくれるわけではありません。
2か月先の請求書の支払いがさらに遅れれば、売上はあってもキャッシュが足りなくなるわけです。
資金の入金が遅いせいで常に資金繰りに苦しんでいないかチェックしてみてください。
資金繰りが苦しくなる原因3 資金の出金が多い
売上が大きくても経費もかかるためキャッシュが手元に残らないビジネスも多いですよね。
納品から支払いまでに時間がある場合、その間は持ち出しがとても大きくなってしまいます。
利益率とも関係しますが、資金の出金が多い体質になっているかもしれません。
資金繰りが苦しくなる原因4 資金の出金が早い
資金の出金額に加えて出金が早い場合があります。
例えば法人のクレジットカードで支払えば翌月末払いでよい物も、現金やデビットカードで支払うと即座にキャッシュが減ってしまいます。
入金は2か月後に対して出金は当月や当日にしていては資金繰りが悪くなりますよね。
資金繰りを苦しくしないための財務健全化ポイント
資金繰りに苦しむような事態に陥らないためには、どんなことを心がければよいのでしょうか。
- 資金繰り表を作成する
- 支払いに優先順位をつける
- 支払いスケジュールを交渉する
こちらも個別に見ていきます。
財務健全化のポイント1 資金繰り表を作成する
資金繰り表を作成して入出金を記録し、資金の出入りを「見える化」することがひとつ。
近い将来発生する予定の支出を把握することで、前もって資金調達をしておくなどの備えができるようになります。
資金繰り表には定型のフォーマットなどはなく、会計ソフトや表計算ソフトで作成可能です。
ネット上にも無料のテンプレートが多数公開されていますので、「資金繰り表 無料 テンプレート」などで検索してみてください。
財務健全化のポイント2 支払いに優先順位をつける
もちろん支払いが必要なものは期日までに滞りなくすべて入金するのが理想です。
しかしそれが難しい状況に陥った場合に備えて、支払いの優先度を決めておくことも大切です。
期限を過ぎると会社としての信頼を損なう恐れのあるものや、重大な損失を招きかねないものが優先される支払いとなるでしょう。
特に自社で振り出した小切手や手形は最優先、従業員への給与支払いなども優先すべき支払いとなるはずです。
税金の支払いについては、分割払いや免除・猶予の制度が活用できないか相談してみるのもよいかもしれません。
財務健全化のポイント3 支払いスケジュールを交渉する
上記の対策2に関連して、入金日や支払日について取引先と交渉してみるのも有効な方法です。
これまで培ってきた信頼関係を損なわないよう交渉の手段については注意が必要ですが、長い取引関係だからこそ相談に乗ってもらえるかもしれません。
先ほどお話しした「回収は早く・支払いは遅く」に則り、「入金が早まらないか」「支払期限を延ばせないか」などを持ちかけてみましょう。
ただやはり相手にも当然同じように資金繰りの事情がありますので、強引な交渉は禁物です。
まとめ
記事でお伝えしてきたことを踏まえ、健全化のポイントを以下にまとめました。
- 資金繰り表などで資金の出入りを把握し、支出予定に前もって対処できるようにしておく。
- 事業に無駄がないか洗い出す。経費や過剰在庫、人件費などで削減できそうな部分を見極める。
- 資金繰りは「回収は早く・支払いは遅く」。カードでの支払いや取引先とのスケジュール交渉なども検討する。
- 資金調達を有効活用する。(企業再建資金やセーフティネット貸付などの融資制度、売掛債権を迅速に現金化するファクタリングなど)
資金繰りが苦しい方やうまくいかない方は、まず原因を洗い出してみてください。
その上で資金調達をすることで、長期的に経営を改善させることができるでしょう。
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