「自社の資金繰りを改善する方法を知りたい」
「資金調達も検討しているが、その前に自分でできることはやりたい」
個人事業やスタートアップの中小企業などに付き物なのが、資金繰りの苦労ではないでしょうか。
会社を運営していると、入金・出金のラグなどで思わぬうちに資金繰りが厳しくなってしまいます。
このページでは以下の、資金繰りを改善する9つの方法を解説します。
ぜひ、資金繰り見直しの参考にしてみてください。
【資金繰りを改善する9つの方法】
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- 資金繰りが苦しい原因を見つける
- 資金繰り表の作成をする
- 削れる経費がないか見直す
- 売掛金の早期回収を検討する
- 過剰在庫を処分する
- 法人カードを利用する
- 資金調達をする
- ファクタリングを利用する
- 支払い延長サービスを使う
資金繰り改善方法①資金繰りが苦しい原因を見つける
資金繰りを改善するためには、なぜ資金繰りが苦しいのか原因を見つける必要があります。
売上に対して固定費が大きすぎないか、余計な出費はないか、常に支払いが遅れる取引先がないかなど、複数の原因が見つかるかもしれません。
根本的な原因を解決しないと借金だけが増えてしまう最悪のケースになりかねないため、ぜひ洗い出してみてください。
資金繰り改善方法②資金繰り表の作成をする
資金繰り表とは、ある一定期間の企業のお金の流れを把握し、将来の経営に役立てる表のことです。
主に会社間で行われる掛取引には、売上となったタイミング・実際に入金が行われたタイミングにズレが生じます。
ズレが生じているまま運営を続けていると、帳簿上黒字が続いているのに倒産する「黒字倒産」を起こしてしまいます。
資金繰り表を作ることで資金ショートを起こす時期の予測ができ、資金調達や支払日の先延ばしをするといった具体的なアクションをとれるのがメリットです。
資金繰り表には決まったフォーマットはなく、テンプレートを元に会社独自の使いやすい項目を作り上げていくのが一般的です。
しかし、入力には簿記の仕訳のイメージがないと煩雑に感じてしまうでしょう。
その場合は自社で行わず、税理士・記帳代行などアウトソーシングを活用するのも1つの手段です。
資金繰り改善方法③削れる経費がないか見直す
特に起業して間もない時期は初期費用がかさんだり、必要以上に経費をかけ過ぎていたりといったことも起こりがち。
経費の記録を元に、削れる項目がないか見直してみましょう。
たとえば、広告宣伝費の費用の比率は、一般的なビジネスでは5%〜10%が相場といわれています。
相場と同じくらい費用をかけているのに得た顧客数が少ないのであれば、広告の方法を変えるか、SNSなど無料の集客媒体に切り替えるのも有効な手段です。
他、人件費において残業代が多い場合は作業効率の見直しをはかるなど削れる経費がないかを探すことが重要です。
資金繰り改善方法④売掛金の早期回収を検討する
「先に払って後で回収」の掛取引では、売掛金の早期回収に努めることが大事です。
先に払う金額が膨れ上がってしまうと、現状上がっている売上が全て先払いしている金額にあてられてしまうからです。
たとえば、支払いサイト90日の取引先があると、実際の売上原価の3倍の金額を先払いしているということになります。
資金が潤沢にあれば成り立ちますが、そうでなければ早期に回収するアクションが必要となります。
すべての取引先が応じてくれるとは限りませんが、支払いを早められないか交渉することも検討しましょう。
ただし、先方の企業にも資金繰りに影響を与えてしまうので、早めてくれた取引先に割引を行うなどメリットを提示するのも1つの方法です。
資金繰り改善方法⑤過剰在庫を処分する
過剰在庫を処分することは、節税対策になります。
倉庫で保管されている在庫は「棚卸資産」として計上されるため、保管を続ける限りは課税の対象となります。
置いておくだけで出費となってしまうため、思いきって処分をしましょう。
そして、処分したものは「廃棄損」として経費に計上することができ、将来払う税金額を減らすことができます。
資金繰り改善方法⑥法人カードを利用する
経費の支払いは、現金払い・口座引き落としではなく、法人カードを利用しましょう。
法人のクレジットカードが資金繰りに有効な理由は、お金の引き落としを1〜2ヶ月ほど後ろにずらすことができるからです。
逆に法人カードで支払えば翌月末引き落としでよい物も、現金やデビットカードで支払うとすぐに出金となってしまいます。
資金繰り改善には「回収は早く・支払いは遅く」の考え方は外せません。
業態や商習慣によって事情は異なりますが、遅くできる支払いがないか探してみることをおすすめします。
可能であれば支払いを遅くできる法人カードを利用して、支払いサイトに対策できるようにしておきましょう。
締日の異なる複数枚のカードを月のサイクルにより使い分けるなどの方法も、支払いを遅らせる意味で地味ながら効果的な一つの方法です。
資金繰り小技。クレジットカードで支払えるものはカードで払って現金がでていくのを遅らせる。締日の違うカードを駆使して最大限伸ばす。末締めのカードを1日に使い15日締めのカードを16日に使う。そうすると現金がでていくのは約2ヶ月後。起業初期は余裕資金なかったので細かくやっていました。
— 佐藤和也@WhiteningCafe社長 (@ksj358) March 23, 2023
当サイトには、成長を目指す中小企業やスタートアップに絶大な人気を誇るUPSIDERカードの特集記事があるのでチェックしてみてください。
資金繰り改善方法⑦資金調達をする
上記の方法で改善できなければ、資金調達も検討しましょう。
ここでは代表的な4つを紹介します。
金融機関に借入をする
借入が最も一般的な資金調達方法ですね。
銀行融資はハードルが高いですが、ファンドワンなどノンバンクのローン会社からなら借入しやすいでしょう。
ノンバンクの金利は銀行より高めですが、最短即日の融資に対応していることが多いです。
しかし利息を含めて毎月の返済が必要となり、遅延が発生すればさらに20%などの罰則金が発生します。
下手をすると自転車操業に陥りかねないリスクもありますので、借入が常態とならないようにしなくてはなりません。
資産を売却する
大きな出費に繋がる資産を売却することも重要です。
店舗やオフィスを所有している場合は、売却することでまとまった資金を得ることができます。
法人用のリースバックを使えば売却した後も賃貸借契約で同じ物件を使うことができますので、資金繰りを考えて売却を検討することもおすすめできるでしょう。
出資を受ける
出資には、スタートアップ企業に投資をする機関である「ベンチャーキャピタル」と、有望な経営者に支援をおこなう「エンジェル投資家」の2パターンがあります。
どちらも、まとまった金額の出資を受けられる可能性がありますが、必要以上に経営に関与する投資家に出会う可能性もあり、相性の見極めが必要です。
助成金・補助金を利用する
助成金・補助金は、国や自治体が、事業者に向けて資金の援助をする制度です。
返済義務がない資金調達のため、利用できるならした方がよい方法です。
ただし、公的な資金から交付されるため審査があり、応募すれば誰でも受給できるわけではありません。
資金繰り改善方法⑧ファクタリングを利用する
ファクタリングは、自社が保有している売掛債権を売却することによって資金調達をする方法です。
数か月先の売掛債権を最短即日で現金化できるサービスで、借入と違ってバランスシートを痛めないので金融庁なども推奨しています。
※同時に、悪徳業者への注意喚起もなされています
借金ではないので金利というものはなく、代わりに一括払いの手数料がかかります。
手数料は数%と安い業者もありますので、高い金利を支払う借入よりも調達コストが安く済む場合が多いです。
また借入との1番の違いは、利用者ではなく売掛先の信用が主な審査の対象であること。
自身の信用力に不安がある人には活用しやすいですが、売掛先(取引相手)に社会的信用がないと審査に通過しにくくなるのが難点です。
現在人気のファクタリングとしてはQuQuMo(ククモ)が挙げられます。
専門会社として歴史のあるビートレーディングなどとともに検討してみましょう。
資金繰り改善方法⑨支払い延長サービスを使う
先程の「回収は早く・支払いは遅く」の観点から、取引先への請求書支払いを遅らせるサービスも資金繰りに有効です。
支払い延長サービスは銀行振込の支払いをクレジットカード払いに置き換えることのできるもので、支払い.comなどがその代表例です。
支払いを最大60日間(支払い.comの場合)延長できるうえ、サービスの利用を振り込み先に知られることもありません。
支払いドットコムの評判やスペックのまとめ記事は当サイトでも閲覧数が多いので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回紹介した資金繰りをよくする方法について、重要なポイントを3つにまとめました。
- 資金繰りの改善には、自社のお金の流れを把握することが重要
- 入金を早く・出金は遅く、を心がけることで資金繰りの負担は減らせる
- それでも資金繰りが改善できなければ、資金調達を検討する
規模の小さな中小・個人事業の時点から上記のような点を押さえておくことで、資金繰りの感覚も培われていくかもしれません。
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