駐車場経営の初期費用はいくらぐらい?その後の諸経費もあわせて解説

目次

駐車場経営とは

駐車場経営には主に以下の3つの方法に分けられます。

  • 月極駐車場経営
  • コインパーキング経営
  • 立体駐車場経営

それぞれ詳しく紹介していきます。

月極駐車場経営

月極駐車場経営は、利用者と賃貸借契約を締結し、毎月賃料収入を得る経営方です。

一般的に不動産会社に管理委託し、利用者と1年もしくは2年間の賃貸借契約を結びます。

メリットデメリット
・初期費用が安い
・狭小地でも経営可能
・すぐに転用できる
・契約者がいないと収入ゼロ
・エリアの選定が重要

コインパーキング経営

コインパーキング経営は、月極駐車場と違い、時間単位で利用者から収入を得る方法です。

場所によって異なりますが、10分単位や15分単位での料金設定をしているのが特徴です。

メリットデメリット
・大きな収益を生む可能性がある
・収入保証してくれる会社がある
・初期費用0円で始められることも
・一括借り上げできなければ初期費用がかかる
・駐車可能台数によっては儲かりにくい

立体駐車場経営

立体駐車場は主に、スーパーや商業施設にある2階建て以上の駐車場を指します。

個人で経営されている方は少ないですが解説していきます。

メリットデメリット
・駐車可能台数が多い
・土地を最大限活用できる
・工事費が高くなる
・個人では始めにくい

駐車場経営の種類

駐車場経営の種類には以下の3つの方式があります。

それぞれの特徴や、メリット・デメリットを把握して選択することが大事です。

自主管理方式

自主管理方式とは、駐車場の管理業務をすべて自分で行うことです。

利用者の募集や賃料設定、看板の設置などの業務をすべて自分で行うため、手間と時間がかかります。

半面、駐車場運営会社に管理を委託したときの手数料がかからないので、収益のほとんどが手元に残るというメリットがあります。

月極駐車場にこのタイプが多いです。

自主管理方式は、駐車場経営に時間をかける余裕がある人に向いている運営方法です。

管理委託方式

管理委託方式とは、駐車場の管理業務を駐車場運営会社に委託することです。

オーナーが依頼したい業務を契約によって決められるため、自分も経営に関わることができます。

自主管理と違い、問題が発生すれば運営会社に相談しながら経営できるのがメリットです。

その一方で運営会社に管理委託手数料を支払う必要があるため、自主管理方式よりも収益が減るのがデメリットです。

管理委託手数料の相場は収益の5~10%程度といわれています。

一括借り上げ(サブリース)

一括借り上げとは、所有する土地を駐車場運営会社に一括して貸し出し、賃料収入を得る方式です。

コインパーキングがこの方式に該当します。

オーナーは土地を貸すだけで、経営に関わることはできません。

このタイプのメリットは、駐車場の稼働率や収益状況に関係なく、毎月定められた賃料を得られるので、収入が安定することです。

また駐車場の設置に関する初期費用や設備費用は運営会社が負担するのが一般的なので、オーナーの費用負担がほとんどない点も魅力です。

駐車場経営の初期費用の相場

次に、駐車場経営の初期費用の相場はどの程度なのか確認しておきましょう。

ここでは、月極駐車場とコインパーキングの2つについて確認します。

費用の目安は大手建設会社東建コーポレーションの調査結果を参考にしています。

月極駐車場の場合

月極駐車場の初期費用の内訳は以下のとおりです。

砂利敷き約1万~1万3,000円/坪
アスファルト舗装約17,000~2万円/坪
トラロープ約2,000円/100m
ライン引き約12,000~1万4,000円/台
車止めブロック3,000~5,000円/個
データ出典:東建コーポレーション「駐車場経営にかかる初期費用はどのくらい?失敗しないための基礎知識と共に解説
初期費用例

アスファルト舗装、敷地面積100㎡(約33坪)、駐車台数10台の場合

アスファルト舗装17,000円×33坪=561,000円
トラロープ2,000円
ライン引き12,000円×10台=120,000円
車止めブロック3,000円×10個=30,000円
合計713,000円
アスファルト舗装、敷地面積100㎡(約33坪)、駐車台数10台の場合

    青空駐車場ではないアスファルト舗装の駐車場は少ないケースで計算しても70万円以上の初期費用がかかります。

    コインパーキングの場合

    コインパーキングの初期費用の内訳は以下のとおりです。

    アスファルト舗装約17,000~2万円/坪
    ライン引き約12,000~14,000円/台
    車止めブロック3,000~5,000円/個
    精算機約50万円/台
    看板・照明約20万~30万円
    設備設置工事費用約50万~60万円
    精算システムロック式約10万~13万円/台
    精算システムゲート式約60万~80万円/台
    初期費用例

    アスファルト舗装、敷地面積100㎡(約33坪)、駐車台数10台、清算システムロック式を採用の場合

    アスファルト舗装17,000円×33坪=561,000円
    ライン引き1万2,000円×10台=12万円
    車止めブロック3,000円×10個=3万円
    精算機50万円×10台=500万円
    看板・照明20万円
    設備設置工事費用50万円
    精算システムロック式10万円×10台=100万円
    合計741万1,000円

    自分でコインパーキングを開業しようとすると、少ないケースで計算しても700万円以上の初期費用がかかります。

    しかし、実際にはコインパーキングの運営会社と一括借上げ契約を結ぶ人が多いと思われますので、その場合初期費用はほとんどかかりません。

    駐車場経営のメリット

    駐車場経営には以下のようなメリットがあります。

    1.初期投資額が少ない

    駐車場で最大のメリットが、初期投資額が少ないことです。

    青空駐車場であれば更地のままで駐車場経営ができます

    元々土地は持っているので、元手がほとんどかからないため、赤字になる心配がないの

    で安心して経営できます。

    2.他の事業に転用しやすい

    立体駐車場以外は建物がないので、他の事業に転用しやすいというメリットがあります。

    屋根やフェンス、ロープ程度の設備なら簡単に撤去して、アパート、マンション、店舗、ビルなどの建物を建築することが可能です。

    3.管理方法がシンプル

    駐車場経営は管理方法がシンプルなのがメリットです。

    青空駐車場であれば設備がないので、修繕費の出費もありません。

    建物がないことから、長期修繕積立金も必要ないなどコストの低い投資を目指す人に向いています。

    駐車場経営のデメリット

    簡単にできる駐車場経営ですが、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。

    1.収益性が低い

    駐車場はそれほど多くの収益を見込めません。

    アパート・マンションとは収益水準が異なるからです。

    10室のアパートであれば家賃5万円でも月50万円の収入になりますが、駐車場を10台2万円の料金で貸し出しても月20万円と半分以下の収入にとどまります。

    2.競合が多い

    駐車場は手軽に始められるメリットの裏返しで、競合が多いというデメリットがあります。

    今後人口減少とともにマイカーの台数も減っていくものと思われますので、満車にすることは難しくなるかもしれません。

    3.差別化が難しい

    おしゃれな外観など入居者の目を引きつけるデザインにできるマンションと違い、駐車場は競合との差別化を図りにくいというデメリットがあります。

    マンションのように人気の設備を導入する余地もほとんどありません。

    屋根付きにする方法もありますが、そうすると初期投資費用がかさんでしまい、手軽に始められるというメリットがなくなってしまいます。

    駐車場経営の失敗を防ぐポイント

    駐車場経営の失敗を防ぐには、以下のポイントを把握して、事前に対策を打っておくことが大事です。

    市場調査をしっかり行う

    駐車場はシンプルな経営スタイルのため、簡単にできるイメージがあります。

    しかし、駐車場経営は市場調査をきちんと行ってから始めなければなりません。

    需要が少ない立地で始めても、駐車台数がほとんど埋まらず思ったほどの収益を得られない可能性があります。

    駐車場経営を検討する際は、所有地の周辺にある駐車場がどの程度契約者を得ているか現地調査して確認したほうがよいでしょう。

    きちんとした資金計画を立てる

    駐車場経営を始める際は、きちんとした資金計画を立てる必要があります。

    先に紹介したように、管理方式によってオーナーが負担する費用は異なります。

    青空駐車場のように設備がほとんど不要の場合と、アスファルト舗装する本格的な駐車場では初期費用に大きな差が生じます。

    まずはどの管理方式で経営するかを決め、かかる費用をきちんと調査することが必要です。

    駐車場運営会社との契約内容を確認する

    駐車場経営でトラブルにならないためには、駐車場運営会社との契約内容をしっかり確認することが大事です。

    きちんとした運営会社であれば、契約内容について丁寧に説明してくれるはずです。

    安心して任せられる駐車場運営会社を探す場合は、土地活用専門サイト「HOME4U土地活用」の一括プラン請求がおすすめです。

    このサイトでは、最大10社に一括プラン請求できます。

    駐車場のプラン実績が豊富な企業が作成する土地活用プランを、徹底比較できるので便利です。

    駐車場経営に関連する質問

    駐車場経営の諸経費は?

    駐車場経営で発生する諸経費は以下のとおりです。

    • 租税公課
      (固定資産税、都市計画税、個人事業税など)
    • 損害保険料
      (火災保険、地震保険、施設賠償責任保険など)
    • 光熱費
      (駐車場に街灯を設置する場合など)
    • 修繕費
    • ローン利息
      (ローンを組む場合)
    • 減価償却費
      (アスファルト舗装した場合など)
    コインパーキングの解約に費用はかかる?

    コインパーキングに土地を一括借上げしてもらう場合、解約の費用はかかるのか気になるところです。

    コインパーキングは、「一時使用契約」なので、駐車場運営会社が借地権や営業権を主張して解約を拒否することはありません。

    解約の連絡をしたら、運営会社が期日までに全ての機材を撤去し、土地を返還します。

    優良な運営会社との契約ならオーナーが撤去費用を負担することはないので安心です。

    その意味でも、「HOME4U土地活用」の一括プラン請求などで優良な運営会社を見つけることが大事です。

    確定申告で節税するには?

    確定申告で節税する方法の1つに青色申告制度があります。

    一定の条件をクリアすると、65万円の青色申告特別控除を利用できます。

    青色申告を利用するには、「5棟10室基準」に該当する事業規模であることが条件です。

    駐車場の場合は5台で1室分とカウントされるので、50台以上の駐車場を経営すれば事業規模として認められます。

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