ネット上で最近よく見る「借金減額シミュレーター」や「借金減額診断」について、疑問に思ったことはありませんか？
「そもそも借金が減額できるなんて怪しすぎる･･･」
「個人情報を抜かれるだけじゃ？」
「本当に減額できるなら、どんな仕組みなの？」
元法律事務所スタッフが、法律という観点からこれらの疑問を徹底解説！
実際にシミュレーターを使ってみた際の診断画面や、ネット上の口コミ評価なども紹介します。
借金減額シミュレーターに興味はあるけど、安全性や仕組みに疑問があるという方は、ぜひ参考にしてください。
借金減額シミュレーター(借金減額診断)とは
借金減額シミュレーター(診断)とは、特定の質問に答えると「現在の借金をどれだけ減額できるか」をシミュレーションできるネット上のシステムの総称です。
サイトによっては、「借金シミュレーション」や「借入金減額診断」と呼ぶこともあります。
主に弁護士や法律・司法書士事務所が提供するサービスで、入力された情報から、借金減額の可能性があるかを判断します。
質問内容は、借金の総額や借入期間・返済の見込みなど最低限の情報だけで、住所や会社名など入力しづらいと感じる個人情報は聞かれません。
すべての項目に回答後、入力した電話番号やメールアドレス宛にサービス提供元から連絡があり、減額手続きについての詳細が案内されます。
怪しい罠のように感じる理由は？
借金減額シミュレーターの広告を見て、怪しいと感じる方も多いでしょう。
「そもそも借金減額なんて甘い話すぎる。」「また新たに借金させるための罠ではないか。」そう感じてしまうのも頷けます。
ノーリスクで借金が減額できる仕組みがあれば、誰だって返済に苦労はしませんよね。
実を言うと「減額」という点は嘘ではないものの、借りたお金を返さなくてもよくなると言うことではありません。
利息など貸し手側の利益となる部分を減額・調整することで、総合的な金銭的負担を軽減させるというからくりです。
弁護士や司法書士など法律のプロが関与していることもあり、違法性や危険性は一切ありません。
現在日本の法律では、長期間に渡って借入をしている場合「債務整理」という法的手続きを踏むことで、借入残高が減額できる可能性があります。
借金減額シミュレーターでは、この債務整理ができる条件を満たしているかどうかをチェックし、減額可否の判断をしています。
実際、債務整理をして借金を減額しようとなると、法律の専門家に間に入ってもらって手続きを進めることが必須です。
つまり借金減額シミュレーターは罠ではないものの、実態は法律事務所に相談してもらうための広告のようなもの。
シミュレーターを入り口とした「債務整理の提案・PR」を目的としているのです。
減額の判断や債務整理の相談は無料ですが、実際に減額手続きを依頼するとなると当然、依頼料は発生します。
依頼につなげるためのキッカケとして、借金減額シミュレーターを用意しているということですね。
実際には、依頼料を払ったとしても減額手続きを踏んだ方がトータルでの金銭的負担が減ることがほとんど。
減額分＜依頼料 となるケースなど、利用者の負担が増えてしまう場合は手続きを勧めてくることはないので大丈夫です。
借金減額シミュレーター(借金減額診断)のデメリット
前述したように、借金減額シミュレーターを利用することで、逆に負担が増えたり、お金をだまし取られたりといったリスクはありません。
安心して利用できるツールであり、自身の借金と向き合うために上手に活用することがおすすめです。
しかし、シミュレーターを利用した人の口コミの中には
「事務所から勧誘の電話が来るのが嫌だった」
「もっと気軽に減額できると思ったのに･･･」
というネガティブな意見もあります。
借金減額シミュレーターのデメリットには、以下の2つがあげられます。
- 事務所から連絡がくる
- シミュレーターだけでは解決できない
ネット上のシミュレーターは、あくまでもカンタンなもの。
正確な判断には、やはり専門家による詳しい情報ヒアリングは欠かせません。
また、犯罪やトラブル防止の観点からも、直接本人の意思を確認することは大切です。
そのため、個人情報を明かさずシミュレーターだけで詳細な減額内容の確認や実際の手続きはできないのです。
しかし、事務所からの話を聞くことについては何もデメリットはありません。
多くの事務所は無料で相談ができる上、法律の専門家ということもあり個人情報の取り扱いが万全です。
「借金の相談をしに行こう･･･」と事務所に連絡をするのは、敷居が高くためらってしまう方も多いでしょう。
その点、シミュレーションツールを通して事務所側から連絡をしてくれるのは、心理的ハードルが下がるのではないでしょうか。
借金減額シミュレーター(借金減額診断)を実際にやってみた
多くの借金減額を成功させている「ベリーベスト法律事務所」が提供する借金減額シミュレーター（診断）を、実際にやってみました。
スマホ画面のスクショ画像から、質問内容を確認してみましょう。
それぞれの質問の意図や判断基準なども解説します。
この画面で聞かれている借入金額とは、現在自分が借りている全ての金額の合計を意味します。
A社で20万円、B社で100万円、C社で30万円と複数社から借りている場合は、合計の150万円と回答しましょう。
↓
借入期間とは、借金してから経過した期間を意味します。
期間の長さは今までの利息を計算するのに必要で、借金の減額幅を試算するために重要なポイントの1つです。
ここでは、「直近で借りた日からの年数」ではなく「最初に借りた日からの年数」と考えてください。
例）
2021年5月 A社から20万円借入
2022年1月 追加でA社で5万円借入
2022年10月 追加でA社で10万円借入
このような場合、2021年5月からの日数が「借入期間」です。
複数社から借りている場合は、最も長く借りている金融機関の年数を入力すればOKです。
↓
自身の状況に合わせて正直に回答しましょう。
収入の有無によって最終画面で表示されるコメントに違いが出るものの、「一度、事務所に相談してみてほしい」というスタンスには変わりはありません。
↓
最終画面は、個人情報の入力が求められます。
名前や年齢は、連絡や診断に影響が出るものではないので、匿名・おおよその年齢の入力でも問題ありません。
専門家のアドバイスが欲しい、借金を減らしたい、という方は、メールアドレスと電話番号を入力して連絡を待ちましょう。
事務所から連絡が来た後の流れ
シミュレーターを終えてから、実際に借金減額に至るまでの流れは以下の通りです。
- 事務所からの連絡（電話やメール）
- 詳細なヒアリング
- より具体的な減額診断の結果提示
- プランに関する説明
- 面談＋手数料の説明
- ご契約＋手続きの開始
- 3ヶ月～半年前後で減額手続きが完了（プランにより期間が変動する場合があります）
シミュレーターでの情報入力後「即日～翌日」に連絡がくるケースが大半です。
電話では、シミュレーターよりも詳細な診断結果や減額手続きを申し込んだ際の具体的な流れなどの説明を受けることができます。
また、より精度の高い診断を行うために追加で情報を聞かれることもあるでしょう。
こちらからの質問にも法律のプロが答えてくれるため、借金減額のからくりや安全性など疑問に思う点があれば尋ねてOKです。
債務整理により借金減額の手続きを行う場合には、原則として面談が必要です。
これは日本弁護士連合会や日本司法書士連合会が定めた規定なので、どの事務所を選んでも、電話や面談なしで減額という訳にはいきません。
ただし、シミュレーションを行ってすぐに面談＋契約ということではありません。
電話やメールによるヒアリングや相談を経て「減額手続きをしよう」「面談して詳しく話が聞きたい」となってからのことなので、まずはシミュレーターを使って現状を把握してみることがおすすめです。
借金減額シミュレーター(借金減額診断)の口コミ評判
実際に借金減額シミュレーターを利用した人の口コミを、旧TwitterやYahoo!知恵袋から集めてみました。
借金減額診断をすると法律事務所から連絡くるから止めた方がいいって？いやいや、、そもそも借金減額診断は『債務整理を検討している人と事務所の架け橋が目的』なんだから連絡来なかったら逆に詐欺ですよね？
即窓口に手続きいける人なら気にする必要ないですが、私のように小心者で債務整理すべきと— なま@債務リーマンの味方 (@nama_niniseiri) August 27, 2023
経験者だけが知っている。借金減額シミュレーターは「都合が良すぎる」「信用できない」と耳にするが、実際は口にすることを躊躇ってしまう借金総額や現状のことを入力して事前情報として伝え、その結果、減額できるか前向きに話し合いを進めてくれる
相談だけでも利用が可能https://t.co/jfpu6HWOUh pic.twitter.com/UkJcGjKLTy— つねきち@任意整理の専門家 (@gzqax6wn) August 21, 2023
Q.借金減額シミュレーターという物がありますが これで減額になることはありますか？
あと、減額減額シミュレーションを使ったことで 今後クレジットカードが使えなくなってしまうなどの不便はありますか？
A.借金シミュレーターは弁護士や司法書士などの広告であることが多いようです。
とはいえ、質問者様がリボ払い等の借金で悩んでいるのであれば利息をカットするだけでも借金返済の負担は大きく削減できると思います。
まずは減額シミュレーターを使って自分の借金がいくら減額できるのか確認してみてはいかがでしょうか。（中略）
Q.借金返済を早く終わらして、精神的に楽になりたいです。
現在、450万円借金があり、合計6社から借りています。
正直、苦しいので、債務整理、過払い金請求に関して調べてみたいと思っています。
この場合、弁護士さんに依頼すればよいのでしょうか？
A.消費者金融は自社が有利なような計算をしますので きちんと司法書士さんや弁護士さんに調べてもらうべきです。
とにかく法定金利で再計算し、本当の支払い義務が まだあるのか引き直し計算してみるとわかります。
支払い中に過払い請求もできますしかし、 過払いを差し引いて債務が残るようなら 信用情報機関に登録されます。
債務整理や過払い金返還請求など借金問題専門の法律の専門家で かんたんな入力で、どのくらい借金が減るのかシミュレーションした上で 弁護士さんと無料で相談できます。（中略）
Q.借金減額診断のデメリットって何ですか？
今、借金減額の相談を検討しているのですが、デメリットがあると聞いて不安になっています。
どういったデメリットがあるのか教えて頂けませんでしょうか？
私が想像できるものとしては、
・家族に内緒にしていたのに、急に営業の電話がくる
・借金をしている事がどこかに漏れてしまう
などですが、どうでしょうか？
A.借金減額診断のデメリットは、最終的な金額と多少の差異が出るという点でしょうか。
実際の減額については、各個人の背景にも起因してきますので、借金減額診断ではどうしても一般的な数値で算出するしかないようです。（中略）
なんか減額診断とか言う広告の主の
FAST法律事務所からめっちゃ電話かかってくんねんけどうざい— T @社不のど底辺チャトレ・メルレ嬢 (@towacosmetics) August 2, 2023
口コミの中には、複数回にわたる連絡を「うざい」と感じる方も見られます。
連絡が不要なら無視はせず、今後の連絡は不要である旨をしっかりと伝えれば、連絡は止まるでしょう。
借金減額シミュレーター(借金減額診断)のおすすめはどれ？
評判が良く、安心して利用できる借金減額シミュレーターを提供する、法律or司法書士事務所を4つ紹介します。
シミュレーターの中には一部、マルチの勧誘などに誘導する怪しいサイトも存在します。
どこがいいか迷っている方は、参考にしてください。
ベリーベスト法律事務所
「借金減額シミュレーター(診断)を実際にやってみた」でも活用したベリーベスト法律事務所です。
拠点数No.1の全国73か所(2023年11月現在)に拠点を構え、個人法務から国際・法人までありとあらゆる法律問題に精通。
テレビCMなどで見かけることも多く、借金減額といえばリーベスト法律事務所、というイメージの方も多いでしょう。
アヴァンス法務事務所
アヴァンス法務事務所は、24時間365日いつでも相談を受け付けている司法書士事務所です。
シミュレーターではありませんが、お問い合わせフォームに必要事項を入力することで、同じように借金問題の解決が可能。
アヴァンスから連絡が来た際に、督促のストップや借金問題について今後のシミュレーションができます。
司法書士法人みつ葉グループ
司法書士法人みつ葉グループは、全国6か所に拠点を構える司法書士事務所です。
YouTube・インスタグラム・Twitterなど、SNSを積極的に活用するなど、親しみやすさの高さが特徴です。
グリーン司法書士法人
グリーン司法書士法人は、東京・大阪・名古屋に拠点をおく司法書士事務所です。
債務整理・相続相談・相続放棄・家族信託などの法務サービスについて、迅速かつ的確にサポートしています。
借金減額シミュレーター(借金減額診断)のQ＆A
ここからは、借金減額シミュレーターにまつわる疑問のあれこれを、「よくある質問」の形式で答えていきます。
Q1.「借金」に含まれる借入とは？
A1. カードローンや住宅ローンはもちろん、クレジットカードやリボ払い、奨学金といったほぼすべての借金が対象です。
【具体例】
- 消費者金融や銀行のカードローン
- クレジットカードの分割払い、リボ払い
- クレジットカードによるキャッシング
- 住宅ローン、マイカーローンなど各種ローン
- 奨学金
Q2.法律事務所と司法書士法人の違いは？
A2.法律事務所･･･弁護士に依頼ができる事務所
司法書士事務所･･･司法書士に依頼ができる事務所
借金減額に関する手続きは「弁護士」と特定の研修を修了した「認定司法書士」が行うことができる業務です。
いずれの事務所に依頼する場合にも、借金減額に関する経験値の高い場所を選ぶとスムーズでしょう。
Q3.相談やシミュレーションで何か費用は発生する？
A3.減額手続きに着手しない限りは、無料で相談できる事務所が大半です。
2chやなんjなどネット上の掲示板サイトでは「相談しただけでお金がかかった」という意見もありますが、今回紹介している4つの事務所はシミュレーターの利用及びその後の電話によるヒアリングや相談に対して費用は一切かかりません。
Q4.借金の減額手続きをしたらブラックリストに載る？
A4.債務整理という手段を用いて借金減額の手続きを踏んだ場合、信用情報機関に5年～10年ほど「債務整理をした」という情報が登録されます。
具体的な情報の保管期間や文言は、手続きの内容により異なります。
Q5.なぜ借金が減額できるの？危なくないの？
A5.借金の減額というと「そんなにうまい話がある訳がない」と思ってしまいますよね。
専門用語を使って説明すると「払いすぎた利息の回収＋この先かかる利息を減額することでトータルの金銭的負担を軽減させる」ことを分かりやすく“減額”という言葉で表現しています。
日本の法律では、貸す側・借りる側双方のトラブルを防止するために「債務整理」という制度を設けています。
これは国が認めた（定めた）制度であり、安心して利用できます。
この債務整理を活用し、この先払うはずだった利息を減額（免除）して元金だけの状態にすることで借金を大幅に減額するというからくりです。
まとめ
当記事では、借金減額シミュレーター(診断)の仕組みや安全性について解説してきました。
- 借金減額シミュレーターは、詐欺や罠などではない
- 事務所に相談することで「借金減額」「過払い金が戻る」可能性はある
- ただし、シミュレーターだけでは詳しい内容は分からない
- シミュレーターに個人情報を入力して事務所に実際に相談してもデメリットはない
借金減額シミュレーターは法律家や弁護士・司法書士事務所の広告ツールです。
ノーリスクでの減額とはいきませんが、どういったリスクがあるのかなども、シミュレーション後に無料で教えてもらうことができます。
借金生活から抜け出すヒントを得られることもあるので、シミュレーターを上手に使って、借金と上手に向き合っていきましょう。
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