自治体と民間のリバースモーゲージの4つの違いを紹介!利用する際の2つの注意点も徹底解説!

「自治体と民間のリバースモーゲージの違いが知りたい」

「自治体のリバースモーゲージである不動産担保型生活資金とは?」

リバースモーゲージを考えている方の中には、上記のような疑問を抱えている方も少なくありません。

同じリバースモーゲージでも、民間と自治体で利用要件や目的などに違いがあるためです。

この記事では、自治体と民間のリバースモーゲージの相違点や不動産担保生活資金について解説します。

リバースモーゲージの利用を考えている方は、この記事を参考にしてください。

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目次

自治体のリバースモーゲージである不動産担保型生活資金とは?

自治体のリバースモーゲージとは、厚生労働省の「生活福祉貸金貸付制度」の1つである「不動産担保型生活資金制度」のことです。

高齢者の生活支援を目的としており、管轄は厚生労働省、相談窓口は各自治体にある社会福祉協議会になります。

なお、不動産担保型生活資金制度には、以下の2種類があります。

  • 不動産担保型生活資金
  • 要保護世帯向け不動産担保型生活資金

それぞれについて解説していくので、内容を理解したうえで、自治体のリバースモーゲージを利用できるのか確認するようにしてください。

不動産担保型生活資金

不動産担保生活資金の主な特徴は以下の表を確認してください。

対象年齢

原則65歳以上

所得条件

低所得の高齢者世帯(市町村民税非課税世帯が目安)

対象不動産

居住用の土地・建物(マンションは除く)

資金用途

生活資金

融資限度額

不動産評価額の70%程度

貸付限度額

1ヶ月30万円以内(原則3ヶ月ごとの支払い)

保証人

推定相続人の中から1名

利子

「年3%」または「長期プライムレート」のいずれか低い利率

上記のように、自宅を担保することで、毎月最大30万円を借りることが可能です。

ただし、対象物件が一戸建て住宅に限定されていることや保証人が必要であることなど、利用するためのハードルが民間のリバースモーゲージと比較して高い欠点があります。

要保護世帯向け不動産担保型生活資金

要保護世帯向け不動産担保型生活資金の主な特徴は、以下の表で確認してください。

対象年齢

原則65歳以上

所得条件

生活保護受給中の高齢者世帯

対象不動産

居住用の土地・建物・マンション

資金用途

生活資金

融資限度額

不動産評価額の70%程度・マンションは50%程度

貸付限度額

1ヶ月あたり生活扶助基準額の1.5倍

保証人

不要

利子

「年3%」または「長期プライムレート」のいずれか低い利率

上記のように、生活保護を受給している高齢者世帯を対象とした不動産担保生活資金で、通常の不動産担保生活資金と違いマンションでも利用できます。

さらに、保証人が不要なので、不動産担保生活資金よりも利用するハードルが低いのも特徴です。

民間のリバースモーゲージとの4つの相違点

不動産担保生活資金には、民間のリバースモーゲージと以下の4つの相違点があります。

  • 低所得の高齢者が対象
  • 対象年齢が高い
  • 貸付金額に制限がある
  • 地方で利用できる

上記の相違点について詳しく解説していくので、内容をよく理解したうえで、自治体のリバースモーゲージがご自身に適しているのかを判断するようにしましょう。

民間のリバースモーゲージとの相違点1.低所得の高齢者が対象

自治体のリバースモーゲージは民間と違い、対象者が生活保護を受給している高齢者世帯などの「低所得の高齢者」です。

高齢者であっても、生活支援を目的とした制度であるため、一定以上の所得がある方は利用できません。

一方で、民間は利用者の所得制限を設けていないことが多く、基本的に誰でも利用できます。

また、東京スター銀行の「充実人生」のように所得を利用要件にしているケースでも、「年収が120万円以上」と言った風に、自治体のリバースモーゲージとは逆に一定の所得がある方を対象にしていることが多いです。

このように、民間と自治体では対象にしている高齢者が異なるため、自治体のリバースモーゲージを利用する際は、ご自身が対象の世帯であるかを確認する必要があります。

民間のリバースモーゲージとの相違点2.対象年齢が高い

自治体のリバースモーゲージは、民間と比較すると、対象年齢が「65歳以上」と高く設定されています。

高齢者の生活支援を目的とした制度であるためです。

したがって、定年を迎える年齢である「65歳」までは対象外としています。

一方で、民間のリバースモーゲージは、対象年齢を「55歳〜60歳」に設定していることが多く、中には「50歳」から利用できる金融機関も少なくありません。

このように、同じリバースモーゲージでも、利用できる年齢の制限が違うことを覚えておきましょう。

民間のリバースモーゲージとの相違点3.貸付金額に制限がある

不動産担保生活資金は、生活を支援するための制度であるため、貸付金額に制限が設けられています。

具体的には、「1ヶ月30万円以内または、生活扶助基準額の1.5倍」です。

自治体のリバースモーゲージの利用を検討している方は、貸付金額に制限があることを忘れないようにしましょう。

ちなみに、民間のリバースモーゲージは、「100万〜2億円」などの融資金額の上限が設定されていますが、月々の貸付金額についての制限はありません。

住宅のリフォーム代金や車の購入費用など、一括でまとまった資金が必要な場合も借りることができます。

民間のリバースモーゲージとの相違点4.地方で利用できる

不動産担保生活資金と民間のリバースモーゲージの大きな違いが、利用できるエリアの違いです。

各自治体の社会福祉協議会が窓口になっているため、全国どこでも不動産担保生活資金を利用できます。

一方で、民間のリバースモーゲージは対応エリアを制限していることが多く、対応エリアが首都圏などの大都市圏に集中しているため、地方では利用できないケースも多いです。

民間のリバースモーゲージを利用したくても、対応エリアから外れており、利用を諦めたという方も少なくありません。

今まで諦めていたという方は、住んでいる場所の社会福祉協議会に、不動産担保生活資金が利用できるのか問い合わせしてみてください。

自治体のリバースモーゲージを利用する際の2つの注意点

自治体のリバースモーゲージを利用する際には、以下の2つの注意点があります。

  • 資金使途は生活資金である
  • 物件によっては利用できない

上記の注意点の内容をよく確認して、自治体のリバースモーゲージである不動産担保生活資金を利用する際の参考にしてください。

自治体のリバースモーゲージを利用する際の注意点1.資金使途は生活資金である

不動産担保生活資金の目的は、低所得の高齢者世帯の生活支援を目的としているため、借り入れた資金を使用する用途が生活費に限定されています。

したがって、海外旅行の費用などに、資金を流用することは認められていません。

特例として資金の流用が認められる可能性があるのは、自宅で雨漏りが発生するなどして、日常生活に支障が出ている場合のみです。

一方で、民間のリバースモーゲージは、海外旅行や趣味のための資金など老後の生活を充実させるために、借り入れた資金を利用することができます。

とはいえ、融資を行う金融機関によっては、生活費や住宅のリフォーム費用など資金の利用用途を限定しているケースもあるので注意しましょう。

自治体のリバースモーゲージを利用する際の注意点2.物件によっては利用できない

不動産担保生活資金は、条件によっては利用できない物件も存在します。

要件に担保となる物件の評価額は「1,500万円以上」と、設定されているためです。

基本的にはご自身の所有している土地の価値が「1,500万円以上」ないと、利用することができません。

ただし、例外もあります。

貸付月額によっては、「1,000万円程度」でも利用できるケースもあるので、お住まいの自治体に問い合わせるようにしましょう。

まとめ

リバースモーゲージと一言に言っても、民間だけでなく自治体にもリバースモーゲージの制度は存在します。

自治体のリバースモーゲージである不動産担保生活資金は、低所得の高齢者の生活支援を目的としており、民間のリバースモーゲージが利用できない方でも利用可能なのが特徴です。

とはいえ、所得制限など民間のリバースモーゲージにはない利用要件などもあるため、違いをよく理解しておかなくてはいけません。

そのため、この記事では、自治体と民間のリバースモーゲージの相違点や不動産担保生活資金について解説してきました。

リバースモーゲージの利用を考えている方は、この記事を参考にしてください。

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