「住宅ローンの残債があるとリースバックはできない?」
「リースバックする際の注意点が知りたい」
資金調達などの目的でリースバックを考えている方の中には、上記のような疑問や不安を抱えている方も少なくありません。
実際、住宅ローンが払い終わっていないと、リースバックができないケースもあるためです。
そのため、この記事では、住宅ローンの残債がある場合の対応や注意点について解説していきます。
住宅ローンが払い終わっていない状態でリースバックを考えている方は、この記事を参考にしてください。
もし任意売却やリースバックを検討しているなら、1社だけの査定を信用するのは危険です。
不動産の価格に決まった金額はありません。
同じ物件の査定でも、不動産会社によって300万円以上も差が出ることもあります。
たまたま依頼した会社の査定額が相場より安ければ、本来3,000万円で売れた家を2,700万円で手放すことにもなりかねないのです。
最高値を知らずに安売りして大損しないために、必ず複数社に査定を依頼しましょう。
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住宅ローンの残債があってもリースバックを利用できる?
結論から言うと、住宅ローンを払い終えていない状態でも、リースバックは可能です。
ただし、リースバックの得られる資金額や、住宅ローンの残債額によっては、利用できないケースもあります。
リースバックの売却金額と住宅ローンの残債額の関係性について、詳しく解説していきましょう。
リースバックの売却金より住宅ローンの残債が多い場合
リースバックの売却金額が住宅ローンの残債額よりも多い場合は、問題なくリースバックの利用ができます。
例えば、住宅ローンの残債が900万円で、リースバックで不動産を買い取ってもらった資金が1,300万円の場合です。
リースバックで不動産を買い取ってもらった資金が住宅ローンの残債よりも400万円上回っているため、リースバックする際に支障になるものはありません。
このように、「住宅ローンのいくら残っているのか」や「得られる資金」によってリースバックできるのかが変わってきます。
なお、リースバック業者の仮査定や、一括査定サイトの簡易査定を行うことで、不動産の売値の目安を把握することが可能です。
住宅ローンの残債が多額で、リースバックが利用できるのか不安を感じている方は、事前に業者に問い合わせるようにしましょう。
リースバックの売却金より住宅ローン残債が少ない場合
売却金が住宅ローンの残債よりも少ない場合は、リースバックできません。
住宅ローンの融資先である金融機関は、住宅ローンの返済見込みがない場合、リースバックを認めず「抵当権」を外してくれないためです。
例えば、リースバックで不動産を売却した際の売値が1,800万円で、住宅ローンの残りが1,700万円の場合は、ほとんどの金融機関がリースバックの利用を認めてくれません。
ただし、認めてもらう方法はあります。
足りない100万円を自己資金で用意することで、金融機関がリースバックの利用に同意してくれるはずです。
なお、リースバックでは通常売買よりも売却金が10〜20%程度安くなってしまうため、リースバックできないケースでも、通常の不動産売却で売却できる場合もあります。
引っ越しをしても問題ない方や短期間で資金を用意する必要がない方は、通常の不動産売却も検討してみてください。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックする2つのメリット
住宅ローンの残債がある方がリースバックすることは、通常の不動産売却にはない以下の2つのメリットがあります。
- まとまった現金を短期間で手に入れることができる
- 引っ越しが必要ない
上記について詳しく解説するので、内容をよく確認してください。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックするメリット1.まとまった現金を短期間で手に入れることができる
リースバックは住宅ローンの残債ありの状態で利用しても、通常の不動産売却と違って短期間でまとまった資金を調達することが可能です。
そのため、短期間で資金を調達しなければならない方に、おすすめの資金調達方法になります。
特に、住宅ローンが支払えず競売の期日が迫っている方などは、期日が来る前に資金を確保する必要があるため、リースバックの売却金で住宅ローンを完済できるかを確認してみてください。
なお、上記のようなケースでは、通常の不動産売却では手続きが完了するまで1〜3ヶ月程度かかり、間に合わないことも覚えておくようにしましょう。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックをするメリット2.引っ越しが必要ない
通常売買で自宅を売却してしまうと、資金調達はできても、自宅から引っ越す必要があります。
一方で、リースバックなら資金調達をしたうえで、引き続き自宅で生活ができます。
リースバックは不動産を売却した後に賃貸借契約を交わすことで、売却後も引き続き自宅で生活できるという仕組みであるためです。
したがって、住宅ローン完済後も引き続き自宅で生活したい方に、リースバックは向いています。
ただし、リースバックは通常の不動産売却よりも売値が10〜20%程度安くなるので、注意するようにしてください。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックする際の3つの注意点
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックする際は、以下の3つの注意点を理解しておく必要があります。
- 家賃が相場よりも高額になる可能性がある
- 自宅を買い戻す金額は売った時よりも高くなる
- 住宅ローンの残債とリースバックの売値によっては利用できない場合もある
上記の内容を理解しておくことで、リースバックできない事態や、利用して後悔したという事態を防ぐことが可能です。
内容をよく理解したうえでリースバックを検討するようにしてください。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックする際の注意点1.家賃が相場よりも高額になる可能性がある
リースバック後に交わす賃貸借契約の家賃は、周辺の家賃相場よりも高額になる場合があります。
家賃の設定方法が通常の賃貸住宅と異なり、周辺の家賃相場を考慮するのではなく、不動産の買取価格を基準に決められるためです。
具体的には、リースバック業者は投資用不動産としての期待利回りで家賃を決めており、期待利回りが高く設定されている場合には、家賃が高額になる可能性が高くなります。
ただし、リースバック業者によっては周辺の家賃相場を考慮したうえで家賃を設定してくれる業者もあるため、設定された家賃が周辺の相場よりも高い場合は、家賃を安くしてもらうように交渉してみましょう。
なお、リースバックの家賃を計算するには、以下の計算式を使用するのが、一般的です。
- 家賃(月額)=買取価格×期待利回り÷12ヶ月
例えば、業者が物件を2,500万円で買い取り、期待利回りを10%に設定していたケースでは以下の計算になります。
- 前提条件
- 買取価格:2,500万円
- 期待利回り:10%
- 千円以下四捨五入
- 3,500万円(買取価格)×10%(期待利回り)÷12ヶ月=20万8,000円
このケースの月々の家賃は、20万8,000円になります。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックする際の注意点2.自宅を買い戻す金額は売った時よりも高くなる
リースバックは自宅を売却した後に買い戻すことができる場合があり、一時的にまとまった資金が必要な場合などに有効です。
しかし、自宅を買い戻す際の金額は、売った時の金額よりも高くなります。
リースバック業者が売却する際の諸経費や修繕費、利益が上乗せするためです。
このため、自宅を買い戻したい方は、買い戻し金額について事前に確認しておくようにしましょう。
買い戻し契約に関しては、書面に記載されていない場合も多いため、必ず口約束ではなく書面として残すようにしてください。
住宅ローンの残債ありの状態でリースバックする際の注意点3.住宅ローンの残債とリースバックの売値によっては利用できない場合もある
先述したとおり、リースバックの不動産の売却金が住宅ローン残債よりも少ない場合は、利用できない可能性があります。
住宅ローンを完済できない場合は、金融機関が認めてくれないためです。
このため、住宅ローンの残債が多く利用できるのか不安という方は、リースバック業者に問い合わせるようにしてください。
まとめ
リースバックは住宅ローンの残債があっても利用できます。
ただし、住宅ローンの残債が不動産の売却金よりも多い場合は、基本的に利用できません。
また、仮に利用できたとしても、自宅を買い戻す金額は売った時よりも高いなどの注意点も多いです。
そのため、この記事では、住宅ローンの残債がある場合の対応や注意点について解説してきました。
住宅ローンが払い終わっていない状態でリースバックを考えている方は、この記事を参考にしてください。