今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、レジデンシャルとホテルを融合した「レジホ®」を運営している株式会社REAH Technologies様です。
住居用不動産を宿泊施設として運用するサービスで、まだ日本には少ないながらもニーズの多い、3名以上での旅行や長期滞在に最適化しています。
新しい不動産投資に興味をお持ちの方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。
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不動産業界の経験者やITなどに精通しているライターで構成されています。これまで、不動産×ITに関する100以上の商品やサービスを紹介してきました。不動産テックサービスの導入を検討している企業様や、不動産×ITに関する商品の利用を検討している個人の利用者様に向けて、出来るだけわかりやすく解説することを心がけています。
株式会社REAH Technologies様へのインタビュー内容を紹介します
それでは早速、「株式会社REAH Technologies様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。
Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、レジホ(レジデンシャルホテル)の概要について、簡単に教えていただけますでしょうか?」
日本のホテルは、1~2名連れのゲストが1泊~長くて数泊する宿泊スタイル向けの施設がほとんどで、長期滞在をする方や3~5名で宿泊される方向けの施設が、海外に比べて圧倒的に少ないです。
そのようなニーズに応えるべく、住居用不動産を宿泊施設、レジホ®(レジデンシャル+ホテル)として、旅館業や合法民泊の許認可を取得して運用しています。
旅行者にとっては、「シティホテルやビジネスホテルに泊まるよりもレジホの方が快適・便利でお得」というニーズを、そして、アパート・マンションのオーナーには、「普通に住居の賃貸運営をするよりも運用手残りがより多くなる」というニーズを開拓しています。
施設の元々の設計は、キッチン・独立洗面台付、バス・トイレがセパレートといったように、建物の構造・住宅設備は住居そのもので、ホテルならではの特別な設備投資はしていません。
現在は、東京・大阪・京都の3エリアで14棟、約400室を運営しています。
Q2.「次にレジホをスタートしたきっかけ・経緯を教えていただけますか?」
当社は2018年に設立した会社ですが、前身である(株)百戦錬磨時代にレジホ運営事業を開始しました。(その後、分社化・独立)
人口減少で賃貸不動産の空室率の上昇が見込まれ、生活様式も「住む」と「泊まる」の垣根が曖昧化しているなかで、住居とホテルは制度・法体系もオペレーターも別々なのが現状です。
また、不動産テック企業は宿泊予約サイトなどのプラットフォームが主流で、投資家である不動産オーナーの手残りを向上させる役割を担う人がいない状況でした。
そのため、査定、許可取得支援から施設運営まで一気通貫で行うことで、不動産の収益最大化を図る事業を創設しました。
Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。競合サービスと比較した際のレジホの強み・優位性を教えてください。」
不動産オーナーの目線では、レジホとして不動産運用を行うことで、マンション運用の利回りを上回るホテル水準の利回りが期待できます。
さらに、仮に宿泊事業で期待どおりの結果が出なかったとしても、通常のマンション運用に戻すことでリスク分散を図れることが挙げられます。
また、法令を遵守しながらDX化・省人化を進めており、運営に係る費用のコストダウンを図っているため、通常のホテルの出店が困難な規模感であっても出店をすることが可能です。
加えて、マンションを一棟丸々お預かりして運営している当社のレジホは、ブランディング・マーケティング施策にも注力することで、民泊よりも高単価での販売力を実現しており、それも不動産オーナーの利回り向上に資するものと考えています。
Q4.「レジホはどのような形で集客をしていますか?」
Booking.comやAirbnb、楽天トラベルといった宿泊予約サイト(OTA)からが多いです。
それ以外にも、自社サービスサイト「BON Lodging(ボンロッジング)」でレジホの広報活動とともに集客を行っています。
予約サイトごとに利用者の属性や利用目的に違いも見られるため、当社では各予約サイトと連携してマーケティング施策を実施し、最適な集客方法を追求しています。
また、最近では旅行会社の方や各種機関・法人等の方からお問い合わせをいただくことも増えてきました。
Q5.「レジホはどのような方に利用されることが多いのでしょうか?オススメの利用方法などもあれば教えてください。」
コロナ禍以前は全体の8割前後がインバウンドの方でしたが、コロナ禍になってからはほとんどが国内のお客様です。
部屋が広く複数人で宿泊可能ということもあり、9割以上がレジャーでのご利用で、3分の2は20〜30代のグループ旅行者です。
国内レジャーの方は短期滞在の方が多いですが、キッチン付きやバス・トイレセパレートといった客室の特徴は長期滞在とも親和性が高いため、ビジネスパーソンなどのマンスリー利用も一定数あります。
その他、海外駐在員の方の日本帰国時の拠点として、転居や家のリフォームに伴う一時的な滞在として、大学受験での上京時に勉強に集中できるホテルとして…と、これまで一般のホテルでは対応しきれなかったさまざまなニーズを利用者と共に開拓してゆけると考えています。
Q6.「デイユースから長期滞在まで可能とのことですが、予約はどれくらい前にされることが多いですか?」
コロナ禍前のインバウンドでのご利用や長期滞在の方については、比較的早い段階(宿泊の2~6ヶ月前)でご予約いただくことが多いです。
他方で、直近の国内レジャー利用の方については、複数名のご利用であっても2週間前~宿泊当日にご予約いただくことが多いですが、これはコロナ禍の状況を直前まで見極めて旅行するか判断される方が多いからと推測しています。
当社の施設は、宿泊予約サイト上では原則として365日前から当日まで在庫を提供していますが、大規模な団体のご利用等に関しては、数年先のお問い合わせも承っています。
Q7.「客室はどれくらいの広さがあるのでしょうか?また、料金体系も教えていただけますか?」
30~40㎡の広さの部屋を中心に、1泊1万5,000円から2万5,000円ぐらいの価格帯で販売しています。
多くのビジネスホテルが10㎡~15㎡の客室面積であることと比較すると、大きいように感じられるかもしれません。
ただ、複数人で快適にご宿泊いただくためには、ベッド複数台のほかにシッティングスペースも設けて“部屋中ベッドだらけ”とならないようにする必要があり、そうすると35㎡前後の広さがあることが望ましいと考えました。
また、宿泊料金については、時期ごと・エリアごとの繁閑や周辺競合施設の販売料金も踏まえ、こまめに設定を更新しています。
稼働の低い時期は損益分岐点を下回らないように料金を下げつつ、稼働の高い時期はしっかりと高単価で販売することを心掛けています。
さらに、利益率の高い長期滞在については1泊当たりの料金が割安になるようにして、不動産の収益最大化とお客様目線でのお得感の両立を図っています。
Q8.「既にレジホを利用された方からの反響や感想があれば教えてください。」
各宿泊予約サイトにおいて、宿泊された方のクチコミが点数として表示されていますが、ほとんどの施設において10点満点中8点台後半~9点台を獲得しており、多くのお客様にご満足してご利用いただけていると考えております。
客室に設置しているアンケートでもご利用満足度は9割近く、リピート意向も8割近くあり、実際にBONのレジホを何施設もご利用いただいているお客様や、友人からのお勧めで泊まったというお客様も多いです。
接客・清掃品質をご評価いただいているほか
- 長期滞在のお客様からは「冷凍庫付きの冷蔵庫や調理器具類もあり便利だった」
- グループのお客様からは「バス・トイレが分かれていたので、複数人で1部屋でも朝の準備がスムーズにできた」
- 小さいお子様連れのご家族だと「子どもがハイハイできるフローリング床で良かった」
といったご意見もいただいております。
Q9.「株式会社REAH Technologiesとしての、将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」
駅近で築古のマンションは、民泊で運用することにより、サブリース業者等に賃貸運営を任せるよりも手残りを増やせます。
新築マンションを旅館業に適合するように建てれば、長期滞在を獲得できる分、ホテルとして建てるよりも低リスクで運用できます。
こうした運用ができるレジホを、もっと増やしたいと思っています。
現在は東京・大阪・京都で展開していますが、特区民泊(国家戦略特区法に基づく民泊)の適用範囲が市内全域の大阪に比べ、大田区のみの東京は施設が比較的少ないです。
既存の物件を住宅からホテル、またはホテルから住宅に用途変更することは難しいので、墨田区では新築マンションを建築基準法上はホテルとして建設し、旅館業法の許可を取得して運用している例もあります。
これらの経験を基に、今後はもっと都内を深掘りしていきたいです。
Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」
主要都市部でも人口減少が始まり、1Kをはじめとするマンションの賃料も頭打ちの感がある状況です。
これまでは居住用不動産がメインだった不動産オーナーの投資先に、レジホも加わってくるのではないかと考えております。
そのなかで、当社としてはレジホ運用のノウハウを磨き上げ、宿泊客はもちろん、不動産オーナーの方にも満足いただけるように努力してまいりますので、レジホ運用にご興味のある方はぜひお気軽にご連絡ください。
株式会社REAH Technologiesの会社情報
会社名 | 株式会社REAH Technologies |
所在地 | 東京都港区赤坂2丁目14-11 天翔赤坂ビル 602 |
代表取締役社長 | 橋野 宜恭 |
公式サイトURL | https://www.reah-tech.com/ |
最後に
今回は、「レジホ」を提供している株式会社REAH Technologies様のインタビュー記事を紹介しました。
都市部での人口減少とインバウンドの増加の双方に対応できる、不動産投資の新しい形として、興味を持った方も多いのではないでしょうか。
不動産オーナーはもちろん、ユーザーのニーズにも応えるサービスで、これからも多くのレジホが誕生していくのは間違いないでしょう。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからレジホの公式サイトをチェックしてみてください。
株式会社REAH Technologies様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!