今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、不動産テックサービス「propREPORT(プロップレポート)」を運営している株式会社Propre Japan様です。
「propREPORT(プロップレポート)」とは、不動産の価格に関する様々なシミュレーションを、ひとつのレポートで提供するサービス。
膨大な不動産データベースと、機械学習、GIS・空間統計手法によって実現されるもので、適正売買価格や適正賃料の査定、バリューアップに繋がる施策の分析などもレポーティングします。
物件のオーナーの方から金融機関の方まで、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。
propREPORT(プロップレポート)の公式サイトはこちら⇒
不動産業界の経験者やITなどに精通しているライターで構成されています。これまで、不動産×ITに関する100以上の商品やサービスを紹介してきました。不動産テックサービスの導入を検討している企業様や、不動産×ITに関する商品の利用を検討している個人の利用者様に向けて、出来るだけわかりやすく解説することを心がけています。
株式会社Propre Japan様へのインタビュー内容を紹介
それでは早速、「株式会社Propre Japan様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。
Q1.「まず、propREPORTをスタートしたきっかけ・経緯を教えてください。」
弊社は、不動産の適正価格を分析しています。
ある物件が「周辺の不動産価格に比べて高そうだ」としましょう。
単純に周辺の類似物件と比較したら高いかもしれませんが、物件スペックや地理的要因、時間的な要因、契約関係の要因など、「高い」理由がある場合が多いです。
そして、ある人にとっては「高い」と感じるかもしれなませんが、別の人にとっては自分のニーズに合致するので高くても欲しいと思うかもしれません。
我々は、一般的な適正価格と個々の不動産価格を比較し、価格の乖離に正当な理由を見つけることを志しています。
その一環として、まずは一般的な軸となる適正価格を評価するサービスpropREPORTを開発いたしました。
Q2.「続いて、propREPORTの概要について、簡単に教えていただけますか?」
膨大な不動産データベースに基づく機械学習およびGIS・空間統計手法により、様々なシミュレーションをひとつのレポートで提供するサービスです。
2021年2月末時点では、全国の区分所有マンション、および土地・戸建に対応しており、適正売買価格や適正賃料の査定、バリューアップに繋がる施策の分析などをレポーティングしています。(まもなく一棟マンションやアパートにも対応予定です)
一度レポートを作成すると、作成時点から1年間、最新のデータを反映させた分析結果を確認していただくことが可能です。
また、過去のレポートがアーカイブされているため、月毎の分析結果の変遷を確認することもできます。
Q3.「ここからは少し具体的な質問に入っていければと思います。propREPORTの質は不動産データベースによると思いますが、データベースの開発にどのように取り組んできましたでしょうか?」
弊社の親会社であるPropre Pte. Ltd.は、世界17ヶ国を対象に、グローバルな不動産データベースを構築している会社です。
「言語も不動産取引の習慣も異なる、異国間の不動産情報をいかに整理するか」という、不動産データベース構築の中でも特に情報整理の分野において、長年苦労しながら独自のノウハウを蓄積してきました。
弊社では、特に空室率や販売機関といった“流動性”を把握するための指標を重視しており、そのために膨大な量のデータを日次でメンテナンスする体制を整えています。
Q4.「LITE版で年額300円、FULL版でも年額3,000円ですが、安価でサービスを提供できている仕組みや理由を教えていただけますでしょうか?」
propREPORTで活用している弊社の不動産データベースは、propREPORTのために新たに構築したものではなく、2年前から毎日データを収集し、情報整理を徹底して行って来たものです。
既存のプラットフォームを活用してサービスを開発することによって、新サービスの開発も安価に行うことができます。
それをお客様へのサービス提供価格にも反映しました。
Q5.「他にも不動産データベースを基にしたサービスはあると思いますが、競合に対する優位性や独自性はありますか?」
日本全国を対象に、区分所有マンション、土地・戸建、一棟マンションの適正売買価格と適正賃料を時間軸と単価の視点で分析しているサービスは弊社の独自性だと思っております。
また、サポート面にも力を入れており、評価をいただく点のひとつです。
1件1件のレポート結果に対して、各ユーザー様がご質問等を簡単に送信できる機能を設け、弊社サポートメンバーが迅速に対応させていただくようにしております。
Q6.「物件オーナーや管理会社、金融機関でもデータ活用できると思いますが、より具体的にどのようなニーズに適していますでしょうか?」
代表的な活用ニーズは3つあります。
1.金融機関の担保査定における1次簡易審査
2.デューデリジェンス時の1次評価
3.物件管理会社が物件オーナーへの賃料改定を提言する際の、定量的な基礎レポート作成
なお、様々なお客様とお話ししていく中で、具体的な活用ニーズが日々拡がっている状況ではあります。
Q7.「propREPORTのサービス開発で困難だった点はありますか?」
「使えるデータベース」を構築するにあたって、日々のデータに対して異常値排除や同一物件排除、名寄せ作業、更には17ヶ国を同じ基準で判断できるモノサシの生成をしております。
1日でも止めてしまうとデータの連続性が途絶えてしまうので、その辺りには細心の注意を払っております。
Q8.「ビッグデータを扱う企業として、御社の社員さんにはエンジニアも多いのでしょうか?」
Q9.「具体的な株式会社Propre Japanの将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」
Propre Pte. Ltd.は、世界中に無数に存在する不動産情報を整理し、瞬時に適正価格を算出するロジックを構築することによって、加速的に増加する、国境を越えた不動産の売買を客観的な情報に基づいて支援していきたいと思います。
また、クロスボーダー不動産取引を活性化させることによって、既存不動産プレイヤーの皆様に対して、新しい投資家を紹介できる環境を提供していきたいと考えております。
株式会社Propre Japanは、特に日本国内の市場を専門に分析するプロフェッショナル集団です。値段の高い/安いは個人によって感覚が異なります。
周辺の類似物件から値段の高い/安いを判断することに加えて、高い理由、安い理由をビッグデータから割り出し、既存不動産プレイヤーの皆様のお役に立つことができればと考えております。
Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」
不動産のテック化はさまざまな分野で進行しています。
世の中には価格の情報は氾濫していますが、その価格で売れるまで、貸せるまでどのくらいの時間がかかったかという時間の観点のデータはなかなか入手できません。
我々が注目しているのは、この時間の観点です。
まずは、住宅を中心に時間の観点も盛り込んだ定量分析による価格査定サービスを提供しつつ、今後は店舗、オフィスなどにも対象を広げていく予定です。
株式会社Propre Japanの会社情報
会社名 | 株式会社Propre Japan |
所在地 | 東京都港区芝3-15-14 ヒキタカ芝公園ビル4F |
代表取締役社長 | 白井 久也 |
公式サイトURL | https://propre-japan.com/ |
最後に
今回は、「propREPORT(プロップレポート)」を提供している株式会社Propre Japan様のインタビュー記事を紹介しました。
サービスの要となるデータベースの管理において、1日も欠かすことなく、弛まぬ努力を続けられているのが印象的でした。
今後も唯一無二のデータベースを生かした、さまざまなサービスへの展開が期待されます。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからpropREPORT(プロップレポート)の公式サイトをチェックしてみてください。
propREPORT(プロップレポート)の公式サイトはこちら⇒
株式会社Propre Japan様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!