「住宅ローンの滞納が続いているので自宅の差し押さえをされそうで怖い」
「自宅の差し押さえをされてしまったけど売却できるの?」
など、住宅ローンを滞納して自宅が差し押さえをされてしまって困っている人も多いと思います。
金融機関などの債権者が住宅ローンやマイカーローンなどの支払いができない場合に、債権者が自宅や預金などを勝手に処分できないよう行うのが差し押さえです。
債権、動産、不動産が差し押さえの対象となります。
特に自宅などの不動産は担保価値が高いので、税金の滞納や住宅ローンを滞納すると差し押さえをされることが多く、最終的には競売に処分されます。
しかし、差し押さえをされても競売開始までは自宅の売却が可能です。
自宅の売却には、不動産会社を利用した仲介以外にも任意売却やリースバックなども活用することができます。
今回は、住宅ローンの差し押さえについてとその対応策について解説します。
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差し押さえとは
差し押さえとは、債務者が借金を支払えない場合に、債権者である国や金融機関が債務者に勝手に財産を売却できないようにすることを言います。
不動産の場合は差し押さえされると差押登記されるので、法務局などで謄本を取ると一目で差し押さえをされていることがわかってしまいます。
差し押さえをされている物件は、通常は差し押さえが解除されないと売却することができません。
金融機関に何が差し押さえられるのか
債務者が滞納した場合に金融機関などの債権者が差し押さえできるのが債務者の財産です。
預金や給料などの債権、現金やブランド物などの動産、自宅などの不動産が差し押さえの対象となります。
ここでは金融機関が差し押さえできる、
- 債権
- 動産
- 不動産
について解説します。
差し押さえの対象1.債権
住宅ローンや事業資金の借入などで滞納が続いた場合、金融機関などの債権者が最初に差し押さえするのが預金や給与などの債権です。
預金債権については、借入を行っている金融機関に口座がある場合や借入の際に伝えている場合に預金残高があると差し押さえられます。
金融機関に差押命令の連絡が入ると、金融機関は預金を債権者の口座から別の口座へ移動します。
給与債権については、裁判所が勤務先に債権差押命令が届いた時点で差し押さえの開始です。
差し押さえ以降は、会社は差し押さえ分を引いた給料を滞納している債務者に支払います。
給与の場合は生活もあるので原則として給与の4分の1しか差し押さえができません。
差し押さえの対象2.動産
債務者の現金や車やブランド品ついては差し押さえが可能です。
衣服、寝具、家具台所用品などの生活必需品、一カ月の間に必要な食糧や燃料、仏像や位牌などの礼拝又は祭祀に欠かせないものなど、差し押さえられない動産もあります。
詳細については民事訴訟法第131条差押禁止動産を参照ください。
差し押さえの対象3.不動産
不動産の場合は住宅ローンを滞納した場合に差し押さえをされるケースがほとんどです。
他にも固定資産税や住宅ローン以外の借金を滞納した場合でも不動産の差し押さえをされることがあります。
自宅が差し押さえをされる3つのケース
自宅=不動産が差し押さえをされるケースには大きく分けて3つあります。
差し押さえをされると競売にかけられて住み続けることが出来なくなってしまいます。
どういったケースが該当するかを知っておくことで早めの対策が可能です。
ここでは自宅が差し押さえをされる3つのケース、
- 住宅ローンの滞納
- 税金の滞納
- 住宅ローン以外の借金の滞納
について解説します。
差し押さえをされるケース1.住宅ローンの滞納
金融機関が住宅ローンの担保として設定するのが抵当権です。
金融機関は抵当権を付けることで競売した場合に優先的に返済を受けることができます。
住宅ローンの滞納が続くと金融機関は債権者に自宅を勝手に処分されないように差し押さえをします。
差し押さえをした後に裁判所に競売の申立てを行って競売へと進んでいきます。
差し押さえをされるケース2.税金の滞納
差し押さえの対象となる税金は、所得税や相続税などの国税と固定資産税や住民税などの地方税です。
こういった税金の滞納が続くと自宅が差し押さえをされる可能性があります。
国税の場合は国税庁、地方税の場合は市区町村などが差し押さえをします。
差し押さえをされるケース3.住宅ローン以外の借金の滞納
住宅ローン以外でもカードローンや消費者金融で謝金をしている場合に債権額が大きくなると、預金や給与の差し押さえではとどまらずに自宅の差し押さえをされるケースもあります。
住宅ローンで金融機関から差し押さえをされるよりもイメージが悪く、売却が難しいケースも多いです。
自宅の差し押さえから競売終了までの流れ
住宅ローンを滞納すると金融機関などの債権者は督促状の送付を行います。
督促状を送っても3ヶ月~6ヶ月以上の滞納が続くと期限の利益の喪失により一括返済を請求してきます。
一括返済を請求されても返済できない場合は自宅の差し押さえです。
保証会社が入っている場合は、一括返済できない時点で保証会社が金融機関に代位弁済を行って債権者が保証会社に代わります。
金融機関や保証会社は差し押さえをした後、裁判所に競売の申立てを行います。
裁判所に競売の申立てが受理されると、裁判所は物件調査を行って入札価格の決定を行って入札開始です。
落札した購入者が代金を支払うと所有権が移転してしまうので債務者は速やかに退去しないといけません。
競売開始から売却まで最短4カ月ほどです。
差し押さえをされる前に取るべき3つの手段
差し押さえをされて競売開始の通知が届くと債務者は何も対処することができません。
住宅ローンの滞納が続いた場合は、差し押さえをされる前に早めに対応することが重要です。
差し押さえをされる前に取れる手段にはどういったものがあるのでしょうか。
ここでは差し押さえられる前に取るべき3つの手段、
- 自宅を売却
- 任意売却する
- リースバックする
について解説します。
差し押さえ前の手段1.自宅を売却
最初に検討するべきは自宅の売却です。
売却価格が住宅ローンの残債よりも高い場合は、売却することで誰にも迷惑をかけることなく、住宅ローンの返済を行うことができます。
しかし、実際には生活環境が変わる、近所の人に格好が悪いなど自宅の売却を嫌がる人も多いです。
住宅ローンの滞納の原因としては収入の減少やリストラなどが多いので、将来的に回復する見込みがないままにズルズルと滞納を続けてしまいます。
そうなってしまうと結局は自宅を差し押さえされてしまい、最終的に競売で家を手放すことになってしまうので、住宅ローンの滞納が厳しいと感じたら不動産会社に査定依頼するなどすぐに行動に移すことが重要です。
差し押さえ前の手段2.任意売却する
自宅を売却したくても売却価格よりも住宅ローンの残債が多い場合は、不足分を現金で手出しをしないと売却ができません。
住宅ローンを滞納しているのに手元に現金があることはほとんどないはずです。
そういった場合は、任意売却を活用しましょう。
任意売却は、自宅を売却しても住宅ローンが残る場合に金融機関に承諾を得て売却する方法です。
任意売却であれば、期間は限定されますが一般的に仲介による不動産の売却ができるので競売よりも高く売却できます。
売却価格については金融機関が決めることになりますが、残った住宅ローンの返済についても相談に乗ってもらうことができ、仲介手数料や引越し費用なども捻出することができるので再出発が切りやすいのがメリットです。
差し押さえ前の手段3.リースバックする
生活環境を変えたくない、周囲の目が気になるなど、売却後も引越しをしたくないと考える人も多いと思います。
リースバックは、自宅を不動産会社に買取してもらい、その不動産会社と賃貸借契約を結ぶことで売却してもそのまま住み続けることができる仕組みです。
不動産会社に買取をしてもらえるので即現金化でき、他の人に知られることなく売却できます。
ただし、買取の場合は、市場価格の7割~8割程度になってしまうので、任意売却を活用しないといけないケースもあります。
その場合は、住宅ローンの返済に加えて家賃を支払うことになるので注意が必要です。
差し押さえをされても不動産は売却できるの?
自宅の差し押さえをされても競売開始が決定するまでは売却は可能です。
住宅ローンの支払いが難しくなった場合、時間が経てば経つほど取れる手段はすくなくなってしまいます。
住宅ローンを滞納しそうだなと感じたら、不動産会社に査定を依頼して売却価格を把握するなど早めの対応が重要です。
不動産会社に査定を依頼する場合は、一括査定を活用するなど複数社に依頼するようにしましょう。
まとめ
住宅ローンの滞納が続くと、金融機関から一括請求されます。
支払えない場合は差し押さえをされてしまいます。
住宅ローンの支払いが厳しいなと感じたらまず検討するのは自宅の売却です。
住宅ローンの残債以上で売却出来れば、誰にも迷惑をかけることなく再出発できます。
しかし、売却価格が住宅ローンの残債よりも低い場合は任意売却を検討する必要があります。
差し押さえをされても競売開始が決定するまでは自宅の売却ができますが、差し押さえから競売開始までの期間は短いので早め早めに動くことが大事です。
リースバックを検討する際、1社だけの査定で決めるのは危険。
同じ物件でも査定する会社によって300万円以上も差が出ることがあるからです。
本来3,000万円で売れた家を2,700万円で手放す、なんてことを防ぐためにも、必ず複数社に査定を依頼しましょう。
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不動産業界の経験者やITなどに精通しているライターで構成されています。これまで、不動産×ITに関する100以上の商品やサービスを紹介してきました。不動産テックサービスの導入を検討している企業様や、不動産×ITに関する商品の利用を検討している個人の利用者様に向けて、出来るだけわかりやすく解説することを心がけています。