今回不動産テックラボでインタビューをさせていただいたのは、不動産仲介業からスタートして多彩な事業を展開する株式会社エンジョイワークス様です。
2017年にグッドデザイン賞を受賞した、内装を自由に決められる「スケルトンハウス」の設計、リノベーション、カフェやシェアオフィスなどの運営、まちづくり参加型のクラウドファンディングサービスなど、手掛けるサービスは多岐に渡ります。
不動産をもっと楽しみたい方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。

不動産業界の経験者やITなどに精通しているライターで構成されています。これまで、不動産×ITに関する100以上の商品やサービスを紹介してきました。不動産テックサービスの導入を検討している企業様や、不動産×ITに関する商品の利用を検討している個人の利用者様に向けて、出来るだけわかりやすく解説することを心がけています。
株式会社エンジョイワークス様へのインタビュー内容を紹介します
それでは早速、「株式会社エンジョイワークス様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。
Q1. 「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。株式会社エンジョイワークス様は設立から14年ほど経っている企業ですが、最初に事業をスタートしたきっかけ・経緯は何ですか?」
いずれ起業したいという気持ちがあり、まずはお金の仕組みを学ぶために、大学卒業後、證券会社に入社しました。
ただ、当初は特に何をするかは決めていませんでした。
その後、結婚し、子供が生まれ、自然豊かな環境で子育てをしたいという理由で葉山に引っ越してきたことが大きな転機となりました。
実際に住んでみて子育てや地域の活動に参加する中で、色々な人と知り合い、顔なじみが増えたことは安心感につながりました。
町を歩いていると、そこ、ここで知り合いに会ったりする。
近すぎず、遠すぎず、ほどよい距離感がとても居心地がよかった。
それはコミュニティが醸成されているからだということに気付きました。
このようなコミュニティを育むようなまちづくりを様々な場所で実現させたいと思い、当時の同僚と二人で不動産業をスタートさせました。
Q2. 「まちづくりはとてもワクワクするテーマですが、具体的なサービスの種類や概要について簡単に教えてください。」
当社は、いくつかの事業を展開しています。
不動産仲介業からスタートしましたが、施主様が主体となって内装を自由に決められるスケルトンハウス(2017年グッドデザイン賞受賞)という箱型の家の設計事業や、リノベーションもあり、設計事務所としての機能も有しています。
土地を購入し、スケルトンハウスを何棟か建設し、「一緒に住まう」という考え方のヴィレッジを創る事業もあります。
現在はコロナ禍ということもあり、活動に制約はあるものの、カフェやシェアオフィスも運営し、空き家再生のモデルケースの実証実験をしています。
また、2017年からは空き家や遊休不動産を持つ人とそれを利活用したい人をつなぐ「ハロー!RENOVATION」という、まちづくり参加型クラウドファンディングサービスを開始しました。
Q3.「投資型や購入型のクラウドファンディングを多く組成されていて、100%以上資金が集まっているファンドもあります。どのように周知やアピールをしていますか?」
SNSや広告発信など一般的なことも行いますし、もちろん社員が投資家になる場合もあります。
我々のファンドは、その物件を利用して何ができるか、どのようなことに使いたいかなどを複数回のイベントやワークショップを行いながら合意形成をして、ものを作り上げていくボトムアップ型のアプローチをとっているところが特徴で、ファンドに参加してくださる方を「共感投資家」と呼んでいます。
それを面白いと感じてくださる方が多いことも、資金が集まる理由なのではないかと思います。
また、人づてに話を聞いて、我々の活動に賛同し、出資してくださる方もいらっしゃいます。
Q4.「50年先の風景を作るをテーマにしたENJOY VILLAGEが魅力的です。具体的にどのようなサービスを提供していますか?」
ENJOY VILLGEは、先にも申し上げましたようにスケルトンハウスを何棟か並べ、一緒に住まう、小さなヴィレッジ(コミュニティ)をつくっています。
そこでは、窓の位置を微妙にずらすなどのお互いのプライバシーは維持しつつ、それぞれの家に塀を設けていません。
そこに住む人たちが、お互いにつかず離れず、ゆるやかな交流ができる仕組みとなっています。
50年先というのは、スケルトンハウスがそれだけ堅牢、且つフレキシブルに設計されていることを意味します。
家族構成は、時を経て変わっていきます。子育て中、子供が巣立った後にも家のレイアウトを変更しやすいようにインフィル構造で設計されていることが特徴です。
Q5.「鎌倉や葉山などに加えて京都など幅広い場所に展開していますが、力を入れたい地域や今後検討している地域はありますか?」
鎌倉や葉山はあくまでも実験の場と捉えています。
特に「この地域」ということは考えていませんが、今後も日本全国各地で、準備中のプロジェクトは多数あります。
Q6.「0円でリノベーションができる事業について、本当にオーナーは費用負担をしなくてもよい仕組みなのでしょうか?」
はい。
リノベーション資金は、借主が運営する空き家再生プラットフォーム「ハロー!RENOVATION」投資型クラウドファンディングにて調達しますので、貸主の負担はありません。
Q7.「空き家再生プロデューサーの資格取得講座も実施されていますが、資格取得によってどのようなことが可能になりますか?」
前述した「ハロー!RENOVATION!」は、「共感」によってお金を集め、クラウドファンディングという手段を用いて遊休不動産を利活用するプラットフォームです。
湘南エリアでは我々ができますが、日本全国で行うためには各地域の方々がその地域に合ったプロデュース視点が不可欠です。
そこで、各地域で我々のようにプロデュースができる人材を育成するために「空き家再生プロデューサー資格取得講座」を開講しました。
講座では、不動産(空き家・遊休不動産を含む)の活用プロジェクトの事業計画策定、コンセプトメイキング、チームビルディング、資金調達、事業運営まで幅広い知識と経験、ネットワークの作り方からプロジェクトをサポートする知識を学ぶことができます。
実際、この6月に第1期生として3名のプロデューサーが誕生しました。
Q8.「自治体との共創プログラムも実施されていますが、個人だけではなく行政のお客様も多いのでしょうか?」
はい。
「お客様」というよりは、行政と共同でプロジェクトを実施しているという表現の方がしっくりくる気がします。
また、いくつかのプロジェクトでは、国土交通省のモデル事業として採択されているものもあります。
Q9.「具体的な株式会社エンジョイワークス様の将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」
ライフスタイルについて受け身ではなく「ジブンゴト」としてとらえていくこと。
すなわち決められたものをそのまま受け入れるのではなく、我々一人一人が生き方を自分自身で選択していく。
社員も含めてそういった生き方、ひいては地域が増えていくことが理想です。
Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」
「モノ」消費から「コト」消費といわれて久しいですが、不動産もそうで、単なる「モノ」ではなく、「コト」を生み出す舞台や場所としてとらえると違う価値を持つようになります。
当社はそういった場所を日本全国に広げ、コミュニティを醸成していきたいと思っています。
みなさんもそのような視点で不動産を見ると、これまでとは違う面白さを感じることができるのではないでしょうか。
株式会社エンジョイワークスの会社情報
会社名 | 株式会社エンジョイワークス |
所在地 | 神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-10-9 |
代表取締役社長 | 福田和則 |
公式サイトURL | https://enjoyworks.jp/ |
最後に
今回は、まちづくりなどの多彩な事業を展開する株式会社エンジョイワークス様のインタビュー記事を紹介しました。
ライフスタイルを豊かにするための手段という、新しい不動産の価値を提供していく姿勢が非常に印象的でした。
これからも様々な事業で、不動産による「コト」消費を後押ししてくれることでしょう。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクから株式会社エンジョイワークス様の公式サイトをチェックしてみてください。
株式会社エンジョイワークス様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!