「リバースモーゲージは住宅ローンが残っていても利用できる?」
「リバースモーゲージを住宅ローンが残っている状態で利用する際の条件が知りたい」
住宅ローンが完済できていない方がリバースモーゲージの利用を検討する際、上記のような疑問を抱えることが珍しくありません。
リバースモーゲージは、住宅ローンが残っていると利用できないケースがあるためです。
では、住宅ローンが残っていると、リバースモーゲージは必ず利用できないのでしょうか?
結論を言うと、住宅ローンが残っていても利用は可能です。
ただし、「リバースモーゲージの融資金で住宅ローンが完済する必要がある」などの注意点もあります。
この記事では、「住宅ローンが残っている場合でもリバースモーゲージは利用できるのか」について解説していきます。
リバースモーゲージの利用を検討しているならこの記事を参考にしてください。
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リバースモーゲージは住宅ローンが残っていると原則として利用できない
リバースモーゲージは、基本的に住宅ローンが残っていると利用できません。
住宅ローンを組んで家を購入する際に、金融機関は家を担保にするための抵当権を設定するので、抵当権が抹消されない限り、他の金融機関が担保設定できないためです。
リバースモーゲージは、物件を担保にして資金を借り入れる仕組みであるため、自宅に抵当権が設定されている状態では、物件を担保にすることができず利用できません。
そのため、リバースモーゲージの利用を検討しているなら、可能な限り住宅ローンを完済してから利用するようにしてください。
住宅ローンの残額によってはリバースモーゲージで借り換えられる
リバースモーゲージは住宅ローンが残っていると利用できないと説明しましたが、例外もあります。
借入金で住宅ローンが完済できる場合には、利用することが可能です。
住宅ローンを完済することで、住宅ローンを利用した金融機関も、自宅に設定されている抵当権を抹消してくれます。
ただし、金融機関によっては住宅ローンの借り換えに対応していないケースもあるので注意が必要です。
借入金の使い道が制限されているケースもあるため、住宅ローンが残っていても利用できるかどうかについては金融機関に問い合わせるようにしてください。
リバースモーゲージで住宅ローンを借り換える際の3つの注意点
リバースモーゲージで住宅ローンを借り換える際の注意点は以下の3つです。
- 住宅ローンと違い団体信用保険に加入できない
- 途中で不動産価値が大きく下落した場合は元本の返済が必要
- リバースモーゲージで住宅ローンを完済できない場合は利用できない
上記について解説していきますので、住宅ローンが残っている状態でリバースモーゲージを利用する際の参考にしてみてください。
リバースモーゲージで住宅ローンを借り換える際の注意点1.住宅ローンと違い団体信用保険に加入できない
リバースモーゲージは、住宅ローンと違って団体信用保険に加入することができません。
したがって、リバースモーゲージの契約者が重い障害が残るような事態になったとしても、支払いを続ける必要があります。
とはいえ、リバースモーゲージは、生前は利息のみを返済して契約者の死亡後に借入金を返済する仕組みであるため、住宅ローンと比較して生前の返済負担は軽く、そこまで心配する必要はありません。
リバースモーゲージで住宅ローンを借り換える際の注意点2.途中で不動産価値が大きく下落した場合は元本の返済が必要
リバースモーゲージは、不動産価値が大きく下落してしまい、すでに借り入れている金額よりも融資限度額が低くなってしまうと、元本の一部を返済しなければなりません。
例えば、すでに借り入れている金額が2,000万円で、融資限度額が1,500万円まで下落したケースでは、超過分の500万円を返済する必要があります。
こういった事態になった際に対応できるように、リバースモーゲージを利用した後も、ある程度の資金を手元に残しておくことが重要です。
ちなみに、不動産評価額の見直しは1~2年の周期で実施され、借入上限金額が見直されるたびに変わる可能性があることを覚えておきましょう。
リバースモーゲージで住宅ローンを借り換える際の注意点3.リバースモーゲージで住宅ローンを完済できない場合は利用できない
前述しましたが、リバースモーゲージで融資された資金で、住宅ローンを返済できないと利用できません。
そのため、リバースモーゲージで融資してもらえる金額を、ある程度把握しておく必要があります。
ちなみに、リバースモーゲージでは、物件の評価額の60〜80%程度しか融資してもらえません。
返済が長期間に渡り、完済までに建物の評価額が低くなるため、建物の評価額を低く見積る必要があるためです。
したがって、自宅の評価額がよく住宅ローンが完済できる金額であったとしても、融資上限額はそれよりも低くなるので注意が必要になります。
リバースモーゲージでローンが完済できないときの4つの対処法
リバースモーゲージでローンが完済できないときの4つの対処法は、以下になります。
- 金融機関に相談する
- 自宅の売却を検討する
- リースバックを検討する
- ローンが返済できずに滞納している場合は任意売却を検討する
住宅ローンの残債が多い場合は、上記の内容をよく確認して参考にしてください。
リバースモーゲージでローンが完済できないときの対処法1.金融機関に相談する
金融機関に相談することで、住宅ローンが完済できない場合でも、抵当権を抹消してくれる可能性があります。
ただし、リバースモーゲージの利用後に自己資金で返済できるケースなど、金融機関が返済できる見込みがあると判断した場合に限られるため、非常にハードルは高いです。
住宅ローンを完済する前に抵当権を抹消することは、金融機関にとってリスクが高い行為になるため、基本的に対応してくれる可能性は高くありません。
とはいえ、返済に関する契約書などを交わすことで、対応してくれるケースもあるので、まずは一度相談してみてください。
リバースモーゲージでローンが完済できないときの対処法2.自宅の売却を検討する
リバースモーゲージでローンが完済できないときは、自宅の売却を検討してください。
不動産会社の仲介によって自宅を売却することで、自宅を手放してしまうことにはなりますが、物件の評価額に近い金額を手にすることが可能です。
そのため、物件の売却金で住宅ローンを完済できる可能性が高まります。
ただし、売却まで時間がかかるうえに、仲介手数料などを支払う必要があるため、売却にかかる諸経費を含めていくら必要なのかを把握しておくことが重要です。
ちなみに、不動産会社の仲介による売却には、以下の諸経費がかかります。
名称 |
費用 |
印紙代 |
1,000~6万円程度 |
仲介手数料 |
売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税(価格によって計算は異なる) |
抵当権抹消費用 |
1000円程度(司法書士に依頼する場合は1~5万円程度) |
ローン返済手数料 |
5000~3万円程度 |
住民税 |
所得税額(短期) = 売却価格(税抜)× 30.63% |
所得税額(長期) = 売却価格 (税抜)× 15.315% |
|
譲渡所得税 |
住民税額(短期) = 売却価格(税抜) × 9% |
住民税額(長期) = 売却価格(税抜)× 5% |
上記のような費用がかかることを、覚えておくようにしてください。
リバースモーゲージでローンが完済できないときの対処法3.リースバックを検討する
リースバックとは、自宅を業者に売却して資金を調達し、その後賃貸借契約を交わすことで、家に住み続けることができる資金調達の方法です。
自宅を利用した資金調達の方法であるリースバックも、住宅ローンが残っていてリバースモーゲージで完済できないときの対処法のひとつになります。
リバースモーゲージとは違って物件の所有者ではなくなりますが、自宅で生活ができるうえに、売却価格は不動産評価額の70〜80%とリバースモーゲージよりも高いため、住宅ローンを完済できる可能性があります。
ただし、仲介による売却よりも価格が安いなどのデメリットもあるため、多くの資金が必要なら仲介による売却がおすすめです。
リバースモーゲージでローンが完済できないときの対処法4.ローンが返済できずに滞納している場合は任意売却を検討する
任意売却とは、住宅ローンを滞納している場合に金融機関の合意を得て物件を売却する方法です。
住宅ローンを返済できずにすでに滞納しており、自宅を売却しても完済できる見込みがない場合には、任意売却を検討することをおすすめします。
リースバックやリバースモーゲージとは違い、住宅ローンが完済できる見込みがない状態でも自宅を売却することが可能です。
ただし、自宅の売却金で返済しても返済できなかった残債が無くなるわけではないので注意が必要です。
残債は、任意売却を利用したあとも、返済する必要があります。
まとめ
リバースモーゲージは、融資金額で住宅ローンが完済できないと利用できません。
また、物件評価額の50〜70%しか融資してもらえないため、住宅ローンが残っている状態の場合は、いくら融資してもらえるかをある程度把握しておくことが重要です。
そこで、この記事では、住宅ローンが残っている場合でリバースモーゲージが利用できるかについて解説してきました。
リバースモーゲージの利用を検討しているならこの記事を参考にしてください。
リースバックを検討する際、1社だけの査定で決めるのは危険。
同じ物件でも査定する会社によって300万円以上も差が出ることがあるからです。
本来3,000万円で売れた家を2,700万円で手放す、なんてことを防ぐためにも、必ず複数社に査定を依頼しましょう。
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