テクノロジーの進化によって様々なテックが誕生し世の中を変えてきました。
不動産業界におけるテックは他業界よりも遅れていると言われており、その分新しいテックサービスが誕生と発展を続けています。
今回は「50歳から相続の第一歩を」というキーワードを掲げ、テクノロジーによって相続の世界を変えようとしている株式会社FP-MYS様の「レタプラ」について、インタビューをさせていただきました。
スマホで簡単に相続税の算出ができる無料のプラットフォームサービスで、新しいサービスながら2021年2月時点総発行アカウントは1,900個もあります。
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不動産業界の経験者やITなどに精通しているライターで構成されています。これまで、不動産×ITに関する100以上の商品やサービスを紹介してきました。不動産テックサービスの導入を検討している企業様や、不動産×ITに関する商品の利用を検討している個人の利用者様に向けて、出来るだけわかりやすく解説することを心がけています。
株式会社FP-MYS様へのインタビュー内容を紹介。
ここからは株式会社FP-MYS様にお話を伺っていきます。
インタビューでは自社のサービスを超えた日本の相続の未来や、そこに株式会社FP-MYS様として何ができるのを話していただきました。
Q1.「レタプラをスタートしたきっかけ・経緯は何ですか?」
2017年前後からFPとしてFintech(フィンテック)解説のセミナー講師や執筆を受任するようになりました。知識を深めてみると、生命保険✕テック、不動産✕テックはあったが、今後の日本において不可欠なはずの相続✕テックのサービスが皆無でした。
本来は早めに準備すべき相続の世界を、テックの力を使って実現することが出来るのではという気持ちが沸き、自身で取り組むことになったのがきっかけです。
Q2.「レタプラの概要について簡単に教えてください。」
BtoBtoCサービスです。スマートフォンを使って相続資産の概算を出す。その結果は士業や金融機関などの専門家に共有され、適切なアドバイスの根拠となります。共有した専門家と顧客とのあいだでchatが出来る。相続の相談は細かい計算や個別具体案のため対面が望ましいですが、専門家の敷居はとても高いですよね。
かつ「自分が死ぬときの話なんて」と及び腰になる。そこで、対面までの早期に専門家が顧客にアプローチをするための業務支援ツールとして提供しています。ほかにも遺言の下書きとなる音声レコーディング機能などを実装していますね。
Q3.「相続や贈与といった領域を扱う特別な思いなどはあるのでしょうか?」
本来、人が相続を考え始める70歳.80歳になると、不動産資産や生命保険などの「現金以外の資産」をその時点から柔軟に組み替えることは難しい。認知症による資産凍結のリスクもある。そこで、「50歳から相続の第一歩を」というキーワードを掲げています。
この領域は資産形成と終活のちょうどあいだに至るため、ライフプランのなかでも見逃されやすい時期です。その一方で、この時期に適切な対応を組めば、60歳以後に起こる様々なリスクを軽減できると考えました。
Q4.「レタプラは簡単に相続税の算出ができる無料のプラットフォームサービスということですが、他にもどのようなことができますでしょうか?」
専門家と顧客のchat機能、遺言の下書きとなる音声レコーディング機能、相続結果を家族と共有出来るLINE機能をアカウントごとに実装しています。
Q5.「レタプラの顧客は相続や贈与を扱う士業の方々だと思いますが、プラットフォームはどのように開発したのでしょうか?」
高齢者見守りサービスや年金資産に造詣のあるエンジニアとチームを組んで開発しました。高齢者の方が使いやすい暖色の(白内障でも見やすい)UIや、大きめの文字はここから生まれます。2019年3月以降は基本的なサービスに加え、非上場株式版や不動産版などの「カスタマイズ版レタプラ」を展開開始しました。2021年2月時点総発行アカウントは1900個になります。
Q6.「今後他にも機能を追加していく予定はありますか?また相続や贈与以外にも取り扱う予定はありますでしょうか?」
2021年は非上場株式版、賃貸不動産版のカスタマイズ版を向上させていきます。そのほかに生産緑地版、行政版を展開予定。行政は相続ニーズにアプローチすることで、地域での暮らしやすさや行政サービスの実現(QOL向上)が可能となります。そのために大阪府と連携済です。
Q7.「相続税試算機能や自筆証書遺言の財産目録の作成機能などが付いていますが、専門家は社内にはいらっしゃるのでしょうか?どのような企業か教えていただけますでしょうか?」
代表の工藤自身が専門家であるファイナンシャルプランナーであるほか、チーム・株主に税理士・弁護士・資産コンサルタントがいます。
Q8.「相続や贈与に特化している同業他社は少ないと思いますが、今後同様のプラットフォームや機能が増えてくる可能性がある場合、どのような点が強みや独自性になりますでしょうか?」
デファクトである相続・贈与プラットフォームでは解決できない証券・不動産など各論の部分に展開を開始している点ですね。弊社では「レタプラ枝葉・開花戦略」と呼んでいる。そもそもマネタイズの難しい「50歳からの相続」において、既に有料会員を獲得している先行性があります。数々の受賞履歴なども強みですね。
Q9.「具体的な株式会社FP-MYSの将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」
2020年中盤以降に上場。2030年の日本は、そのときの高齢者が地方都市にいて、両親世代が東京や大阪などの大都市に、子どもたちが上海やソウル、バンコクといった海外に滞在する家族の形が一般化すると思います。
そのときに相続のことを早めに考えるニーズは現時点と比べて確実に増える一方、既存の相続アドバイザーでは対応が難しい。そこでプラットフォームを完成させ、家族が話し合って早期の相続取組をする社会を作る。それが「相続から争族を無くす」というビジョンに繋がると考えています。
Q10.「最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!」
2021年中に不動産版をより進展させるにあたり、不動産業界の方々との連携・協業は不可欠です。そのために「不動産✕相続✕テック」を進捗させていきたい。お気軽にご相談や協業のお誘いを頂ければと考えています。
株式会社FP-MYSの会社概要
株式会社FP-MYSは北海道に本社を持ち、平成28年7月に設立された比較的新しい企業です。
社長自身がファイナンシャルプランナーであり、チームや株主に税理士、弁護士、資産コンサルタントがいる専門家集団です。
事業では大阪府とも連携済としていますし信頼性と将来性の高い企業だと言えるでしょう。
社名 |
株式会社FP-MYS |
設立年月日 |
平成28年7月22日 |
代表者 |
代表取締役社長兼CEO 工藤 崇 |
本社所在地 |
北海道札幌市中央区南2条東2丁目7-1-2F |
事業内容 |
〇 ウェブ、書籍及び雑誌の執筆及び編集業務 |
最後に
今回は相続✕テックで日本に新しいプラットフォームを作り出している株式会社FP-MYS様にインタビューをさせていただきました。
「相続から争族を無くす」というビジョンのもと、「50歳から相続の第一歩を」というキーワードを掲げて、専門家とエンジニアチームでレタプラというサービスを構築しています。
新しいサービスでありながらすでに1900個のアカウント発行や大阪府との連携など、順調に事業を伸ばしているのではないでしょうか。
これからさらに深刻となっていく日本の高齢化と相続問題が、テクノロジーの進化によってどう変わっていくのか期待したいですよね。